Blog

  • AI CMが増えた理由|企業が選ぶ4つの事情を制作現場から解説

    AI CMが増えた理由|企業が選ぶ4つの事情を制作現場から解説(表紙)

    「最近、AIを使ったCMが増えた」と感じている方は多いのではないでしょうか。宣伝・マーケティングの担当者であれば、気になるのはその先——他社はなぜAIを選んでいるのか、自社も検討すべきなのかだと思います。

    AI CMは話題性を狙った一時的な流行に見えるかもしれません。ただ、作る側から見ると、企業がAIを選ぶ理由はかなり実務的です。そして「今」増えている背景には、広告として世に出せる品質で作れるようになったことがあります。

    26℃(株式会社ニジュウロクド)は、フルAIで制作したCMを地上波で放映した実績があります。この記事では、AI CMが増えた理由を、ニュースや感想ではなく発注する企業側の事情として整理し、自社で検討する場合に何から考えればよいかまでまとめます。

    結論から先に

    • AI CMが増えたのは話題性だけではない。撮影の段取り・出演者の契約・出し分け・表現の自由度という、発注する側の実務上の事情がある
    • 撮影と日程調整が発生しないため日程が読める。26℃では最短2週間での納品が可能
    • 「今」増えた背景には、放送に耐える品質で作れるようになったことがある。ただし品質を決めるのはツールではなく工程
    • 自社で検討するなら、出し先 → 狙い → AIである必然性 → 制作体制の順で考える

    AI CMとは?「増えた」と感じる背景

    AI CMとは、演者・背景・小道具といった映像素材の一部または全部を、撮影ではなく生成AIで用意して制作するCMのことです。 一部のカットだけにAIを使うものから、すべてをAIで生成する「フルAI」のものまで幅があり、テレビに限らず配信やSNSの動画広告でも使われています。

    「最近AIのCMが多い」と感じる背景には、見る側が生成AIの映像に見慣れて気づきやすくなったことと、作る側が広告として出せる水準まで仕上げられるようになったことの両方があると考えられます。

    ただ、話題性だけでは、企業は継続してAIを選びません。 CMは多くの関係者の承認を経て世に出るもので、「面白そうだから」では社内の決裁を通らないからです。本記事では、件数や市場規模ではなく、その裏にある発注側の理由を扱います。AI動画の制作全般についてはAI動画制作とは?自作と依頼の違いにまとめています。

    企業がAI CMを選ぶ4つの理由

    制作する側から整理すると、理由はおおむね次の4つです。

    企業がAI CMを選ぶ4つの理由:日程が読める、出演契約の制約なし、出し分けが容易、表現の自由度

    1. 撮影の段取りが消え、日程が読める

    実写のCMでは、撮影当日の前後に長い段取りがあります。出演者を押さえる、ロケ地の許可を取る、全員の予定が合う日を探す、天候を待つ。撮り直しになれば、これをもう一度回します。

    CMは、放映開始日やキャンペーンの開始日が先に決まっていることが少なくありません。締め切りが動かせない仕事で、日程が読めないことは大きなリスクです。AIで制作すれば撮影という物理的なイベントそのものがなくなり、段取りに引きずられて日程が崩れることが起きにくくなります。26℃で最短2週間での納品が可能なのは、撮影と日程調整が発生しないためです。どの工程が消えるのかは撮影不要のAI動画制作|工程が減る理由と、できないことで工程ごとに整理しています。

    2. 出演者の契約にまつわる事情が発生しない

    タレントや俳優を起用するCMは、出演契約の期間や範囲に縛られます。契約期間が終われば映像は使えなくなり、出演者側の事情で予定より前に使えなくなることもあります。

    AI CMの演者はAIアバターです。26℃では実在の人物・ブランド・キャラクターを模倣しない運用としたうえで、著作権・肖像権ともに譲渡する完全買い切りの形で納品しています。出演者の契約期間や更新を気にせず、作った映像を使い続けられます。

    一方で、タレントの知名度そのものを借りたいCMでは、AIは代わりになりません。 権利の考え方は生成AI動画の著作権と商用利用で、AIアバターと実在タレントの違いはAIアバターを広告に使う5つのリスクで整理しています。

    3. 複数パターン・複数尺を出し分けやすい

    同じキャンペーンでも、テレビ用の15秒・30秒、配信向けの横型、SNS向けの縦型と、出し先ごとに尺や画角を変えた素材が必要になることは珍しくありません。

    撮影ありの案件では撮影の時点で撮り分けておく必要があり、撮り漏れは再撮影です。AIなら、足りないカットを撮り直すのではなく、作り直すことで対応できます。反応を見て訴求を変えたパターンを追加する運用にも向いています。

    4. 実在しない世界観・季節・場所を表現できる

    真冬に夏の映像を作る。ロケが難しい場所や、現実には存在しない世界を舞台にする。撮影ではセットや特殊効果に手間がかかる表現も、AIでは生成の段階で設計できます。季節物の商品なら、季節を待たずに、その季節の映像を作れます。

    4つに共通するのは、どれも撮影という物理的な制約から自由になることの効果だという点です。どれが決め手になるかは案件によって違います。

    なぜ「今」なのか ― 放送に耐える品質になった

    ここまでの4つの利点は、理屈としては以前から言えたことです。それでもここに来てAI CMが目につくようになったのは、AIで作った映像を、広告として世に出せる品質まで仕上げられるようになったからだと考えています。

    生成AIの映像モデルは短期間で進化し、動きや質感の表現が安定してきました。26℃で使用している主なモデルは Kling / Seedance / Runway / Comfy UI / Stable Diffusion です。

    ただし、ツールが良くなっただけでは、テレビCMにはなりません。 テレビCMは放映前に媒体側の考査があり、表現・表示・権利関係の確認を通過する必要があります。生成した映像は、選び、直し、確認する工程を経てはじめて放送に出せます。

    26℃はフルAIで制作したCMを地上波で放映した実績があり、その立場から言えるのは、品質を決めるのは使ったモデルではなく工程だということです。

    • AI出力をそのまま納品しない。 選別・修正の工程を通し、日本国内のスタッフが最終品質チェックを行います
    • 工程をまるごと可視化する。 キャラ設計 → 世界観 → 合成 → 最終カットまで、制作画面のまま全工程を開示します

    つまり、AI CMが増えたのは「AIで作れるようになったから」だけではなく、「AIで作ったものを、広告として出せる工程が組めるようになったから」です。AI CM制作の工程そのものはAI CM制作とは?実写CMとの違いと、制作の流れを工程で解説で、実際の制作物は制作実績でご覧いただけます。

    増えたからこそ起きていること ― 違和感と反発

    AI CMが増えれば、見る側の目も厳しくなります。「AIっぽい」「気持ち悪い」という反応は、その裏返しでもあります。

    違和感の多くは、表情や視線のわずかなズレ(不気味の谷)、手指の破綻、ブランドのトーンとのズレから生まれ、生成後に人が検証・修正する工程があるかどうかで大きく変わります。詳しくはAI CMが「気持ち悪い」と言われない作り方にまとめています。

    もうひとつは、AIを使ったこと自体への反発です。「手を抜いたのでは」「権利は大丈夫か」という疑いは、映像の出来とは別に向けられます。これに効くのは、なぜAIで作ったのかを説明できることと、どう作ったかを後から辿れることです。

    自社で検討するなら、何から考えるか

    他社のAI CMを見て「うちも」と考えるのは自然なことです。ただ、「他社がやっているから」は、4つの理由のどれにも当たりません。 検討するなら、次の順番で考えると判断を誤りにくくなります。

    自社でAI CMを検討する順番:出し先を決める→狙いを決める→AIである必然性を確かめる→制作体制を選ぶ

    1. 出し先を決める — 地上波か、配信か、SNSか。求められる品質の水準、尺、パターン数はここで決まります
    2. 狙いを決める — 認知を広げたいのか、季節のキャンペーンを告知したいのか。狙いが決まらないと、AIを使う意味も判断できません
    3. AIである必然性を確かめる — 4つの理由のどれが自社の課題に当てはまるか。実物の質感を正確に見せたい、特定のタレントを起用したいといった場合は、実写のほうが確実なこともあります
    4. 制作体制を選ぶ — 工程を開示してもらえるか、人が確認するのはどこか、権利は納品後どこに行くか。発注前に確認しておきたい部分です(進め方はAI動画を発注するときの注意点)

    1と2が曖昧なまま「AIを使うかどうか」から考え始めると、AIで作ること自体が目的になり、前の節で触れた反発を招きやすくなります。社内のルールとして先に決めておく項目は生成AI広告のガイドライン|外注前に社内で決めておく6項目にまとめています。サービスの詳細は、26℃のAI映像制作サービス「DIRECT FILM」にまとめています。

    よくある質問

    Q. 最近AIのCMが増えたのはなぜですか?

    A. 制作する側から見ると、日程が読める、出演者の契約期間に縛られない、複数パターンを出し分けやすい、実在しない世界観や季節を表現できる、という企業側の実務上の理由が大きいと考えています。加えて、広告として出せる品質で作れるようになったことが背景にあります。

    Q. AIを使ったCMはどのくらいありますか?

    A. 件数を示す統計は、当社では持っていません。一部のカットだけにAIを使う例など外から分からない使い方もあり、数を正確に捉えるのは難しいのが実情です。検討する立場であれば、「どのくらいあるか」より「自社の案件にAIである必然性があるか」で判断するほうが実務的です。

    Q. AIのCMが気持ち悪いと感じるのはなぜですか?

    A. 表情・視線のわずかなズレ(不気味の谷)、手指の破綻、影や髪の動きの不自然さといった技術的な要因と、ブランドのトーンと合っていないという設計上の要因があります。多くは、生成後に人が検証・修正する工程で抑えられる部分です。

    Q. AIで作ったCMはテレビで放映できますか?

    A. できます。実写と同じく放映前に媒体側の考査を通過する必要があり、生成した映像を選別・修正し、人が最終確認して仕上げることが前提です。26℃はフルAIで制作したCMを地上波で放映した実績があります。

    Q. 自社でAI CMを検討するとき、最初に何を決めればいいですか?

    A. 出し先です。地上波か、配信か、SNSかで、求められる品質の水準や尺、パターン数が変わります。次に狙いを決め、そのうえで「AIである必然性」があるかを確かめます。

    まとめ

    AI CMが増えたのは、話題性だけが理由ではありません。日程が読める、出演者の契約に縛られない、出し分けやすい、実在しない世界を描けるという企業側の実務上の事情と、それを広告として出せる品質で作る工程が組めるようになったことが背景にあります。

    一方で、増えたからこそ違和感や反発も生まれています。自社で検討するなら、出し先 → 狙い → AIである必然性 → 制作体制の順で考えるのが近道です。

    26℃は、フルAIで制作したCMを地上波で放映した実績をもとに、AI映像制作サービス「DIRECT FILM」を提供しています。工程の全開示、日本国内での最終品質チェック、権利の完全買い切りまで含めて設計しています。

    AI映像制作の進め方、品質管理の考え方、権利の扱いをまとめた資料をご用意しています。社内での検討・稟議にそのままお使いいただけます。

    ▶ AI映像制作サービス紹介資料(全18ページ・無料)をダウンロードする


    執筆:26℃ 編集部
    AI映像制作サービス「DIRECT FILM」を運営する株式会社ニジュウロクド(26℃)の編集チームです。制作現場で実際に用いている基準をもとに、AIクリエイティブの実務情報を発信しています。

  • 生成AI広告のガイドライン|外注前に社内で決めておく6項目

    生成AI広告のガイドライン|外注前に社内で決めておく6項目(表紙)

    「生成AIを使った広告を始めたい」「制作会社からAIを使った提案を受けた」。そんなとき社内で必ず出てくるのが、「うちはAIを使っていいのか」「何を確認すればいいのか」という問いです。宣伝は進めたい、法務は権利が気になる、ブランド部門はトーンが心配——基準がないままだと、案件ごとに同じ議論をやり直すことになります。

    生成AI広告のガイドラインは、この議論を毎回ゼロから始めないための社内ルールです。ただし作るべきなのは「AIを使うか、使わないか」を決める文書ではなく、どこまで使い、誰が何を確認し、委託先に何を求めるかを決める文書です。制作を外注する広告主にとっては、そのまま委託先との共通言語になります。

    26℃(株式会社ニジュウロクド)は、フルAIで制作したCMを地上波で放映した実績がある制作会社です。この記事では制作を受ける側の立場から、外注の前に社内ガイドラインへ入れておきたい6つの項目と、作ったあとの運用を整理します。

    結論から先に

    • 生成AI広告のガイドラインは「使う・使わない」を決める文書ではない。どこまで使い、誰が確認し、委託先に何を求めるかを決める社内ルール
    • 入れる項目は使う範囲・権利の基準・人物表現・承認フロー・表記の方針・委託先の条件の6つ。外注するなら委託先との共通言語になる
    • AI使用の表記は媒体・プラットフォーム・国によって規定が異なり、変更も多い。結論ではなく「誰が最新の規定を確認し、どう説明するか」を書く
    • 最初は1枚でよい。案件ごとに見直し、更新した版を委託先にも共有する

    生成AI広告のガイドラインとは

    生成AI広告のガイドラインとは、自社の広告・宣伝物に生成AIを使うときの範囲、確認の手順、判断の責任者をまとめた社内ルールです。 誰が担当しても同じ基準で判断できるようにすることが目的です。

    全社向けの生成AI利用ルールが社内業務での利用を想定したものなら、広告にはそのまま当てはまりません。広告は社外に出て、不特定多数の目に触れるものだからです。人物の表現、権利の帰属、AI使用の表記、委託先との取り決めを別に決めておく必要があります。基準が文書になっていれば、制作会社も最初からそれに合わせて工程を組めます。

    この記事は実務上の整理であり、個別案件の法的判断ではありません。具体的な案件については、必ず自社の法務部門または専門家にご確認ください。

    なぜ外注する前に作っておくべきか

    ガイドラインがないまま外注すると、起きやすいことが3つあります。

    案件ごとに判断がぶれる。 宣伝部で通った企画が、公開直前にブランド部門の確認でひっくり返る。方針そのものが覆れば、企画からやり直しです。

    委託先に何を求めるかが決まらない。 基準がないと、制作会社の説明を「聞いて終わり」にするしかなく、複数の委託先を比べることもできません。

    公開後に説明できない。 「権利は大丈夫か」と聞かれたとき、根拠が「制作会社が大丈夫だと言ったから」では弱いままです。自社の基準に照らして確認したと言える状態を作ることが、ガイドラインのいちばん実務的な効用です。

    ガイドラインに入れる6つの項目

    制作を受ける側から見て、発注前に決まっていると案件が進めやすい論点から逆算した6項目です。

    生成AI広告のガイドラインに入れる6項目:使う範囲、権利の基準、人物表現、承認フロー、表記の方針、委託先の条件

    1. 使ってよい範囲 ― どの媒体で、どの工程に使うか

    「使う/使わない」の二択にせず、2つの軸で書くと運用しやすくなります。

    • 媒体の軸:地上波・配信・SNSなど、どの出し先で使ってよいか。テレビCMなら放映前に媒体側の考査があります
    • 工程の軸:すべて生成で作る(フルAI)か、一部のカットだけ(部分利用)か、絵コンテなど企画段階だけか

    「企画段階の案出しは担当者判断、公開される制作物は承認フローを通す」のように分けておくと、現場が迷いません。フルAIで作る場合の工程はAI CM制作とは?実写CMとの違いと、制作の流れを工程で解説で解説しています。

    2. 権利の確認基準 ― 何を、誰が確認するか

    権利の論点は、入口・工程・出力・契約の4段階に分けると整理しやすくなります(詳しくは生成AI動画の著作権と商用利用)。ガイドラインに書くのは論点の解説ではなく、4段階のそれぞれを「誰が、何を根拠に確認するか」です。

    3. 人物表現のルール ― 実在の誰かに似せない

    実在の人物・ブランド・キャラクターを模倣しないことを明文化します。大事なのは、社内から出る依頼も対象にすることです。「あのタレントのような雰囲気で」という依頼が企画段階で出れば、制作側がどれだけ注意しても方向がずれます。

    26℃では、演者はAIアバターとし、実在の人物・ブランド・キャラクターを模倣しない運用としています。AIアバターを出演者にするときのリスクはAIアバターを広告に使う5つのリスク|実在タレントとの違いと対策で整理しています。

    4. 品質と承認のフロー ― 誰が最終判断するか

    揉めやすいのは、誰が最終的に「出してよい」と判断するのかが曖昧なときです。承認の流れを、順番と担当ごとに書いておきます。

    生成AI広告の社内承認の流れ:企画→法務・ブランド確認→制作→最終チェック→公開判断の5ステップ

    1. 企画 — 使う範囲と人物表現を企画書に明記する
    2. 法務・ブランド確認 — 権利とトーンの方針を先に確認する
    3. 制作 — 委託先が制作し、途中経過を共有する
    4. 最終チェック — 委託先の品質チェック後、社内でも確認する
    5. 公開判断 — 1人に決めた最終承認者が判断する

    ポイントは、法務・ブランドの確認を最後ではなく企画の直後に置くことです。方針が後からひっくり返ると、全体のやり直しになります。発注側の進め方はAI動画を発注するときの注意点でも扱っています。

    5. 表記・説明の方針 ― AI使用をどう扱うか

    AI使用を広告上で明示するか、問い合わせにどう説明するか。出稿先ごとに事情が違うため、次の章で決め方を整理します。

    6. 委託先に求める条件 ― 何を満たせば任せられるか

    外注する広告主にとっては、ここが中心です。社内で決めた基準を委託先が満たせるかを確かめる項目で、具体的には後の章で整理します。

    AI使用の表記はどう決めるか

    「AI使用」と表記すべきかは、多くの担当者が迷う点です。ただ、ここは媒体・プラットフォーム・国によって規定が異なり、変更も多いのが実情です。「表記する/しない」の結論だけを書いても、出稿先が変われば通用しなくなります。そこでガイドラインには、結論ではなく決め方を書いておきます。

    決めること ガイドラインに書く内容 書き方の例
    出稿先の規定 誰が、いつ確認するか 出稿のたびに、宣伝担当が最新の規定を確認する
    規定がない場合 自社の基本姿勢 明示するか、問い合わせ時に説明するかを決めておく
    問い合わせ対応 何を、誰が答えるか どの工程にAIを使い、権利をどう確認したかを窓口が答える
    記録の保管 何を残すか 使用したツール・工程・確認者を案件ごとに記録する

    表記の有無と同じくらい大事なのが、どの工程でAIを使い、誰が何を確認したかを、聞かれたときに説明できるかです。特定の媒体・国の規定への当てはめなど、個別の判断は専門家にご確認ください。

    委託先に確認すること ― 26℃の場合

    項目6を確認事項に落とすと次のとおりです。右端は26℃の場合の答えです。

    確認すること なぜ入れるか 26℃の場合
    預けたデータを学習に使わないか 商品画像や資料が外部のモデルに残るのを防ぐ 商用利用・データ非学習を前提とした環境で制作します
    制作工程を開示できるか 問い合わせへの説明の根拠になる キャラ設計→世界観→合成→最終カットまで、制作画面のまま全工程を開示。使用ツールと工程はトレース記録に残します
    納品後の権利はどこに行くか 期間や媒体の制限があると後から使えない 完全買い切りで、著作権・肖像権とも譲渡します
    最終チェックは誰がするか 出力をそのまま受け取ると社内確認の負担が増える AI出力をそのまま納品せず、日本国内のスタッフが最終品質チェックを行います

    大切なのは、確認を「制作会社がどう言ったか」で終わらせず、自社のガイドラインと突き合わせることです。その記録が、そのまま社内への説明材料になります。

    制作会社を選ぶ段階の確認項目はAI CMが「気持ち悪い」と言われない作り方にまとめています。26℃のサービスはDIRECT FILM、制作物は制作実績でご覧いただけます。

    作って終わりにしない運用

    最初から完璧を目指すと、ガイドラインはいつまでも完成しません。小さく作り、案件ごとに更新するほうが現実的です。

    最初は1枚でよい。 6項目について、いま決められることだけを書きます。決められない項目は「案件ごとに法務と相談」で十分です。

    案件が終わるたびに見直す。 「判断に迷った点」「委託先から質問された点」を記録し、次の版に反映します。出稿先の規定が変わったとき、新しい媒体や国に出すとき、使う工程を広げるとき(企画段階のみ → 部分利用 → フルAI)も見直しのタイミングです。

    版と日付を残し、委託先にも共有する。 更新したら最新版を委託先に渡しておきます。

    よくある質問

    Q. 生成AIを広告に使うとき、社内ガイドラインは必要ですか?

    A. 外部に制作を委託するなら、作っておくことをおすすめします。基準がないと案件ごとに判断がぶれ、委託先に何を求めるかも決まらないためです。

    Q. 生成AIで作った広告には「AI使用」の表記が必要ですか?

    A. 媒体・プラットフォーム・国によって規定が異なり、変更も多いため、一律には言えません。出稿先ごとに最新の規定を確認したうえで、規定がない場合の自社方針と、問い合わせへの説明の仕方を決めておくのが実務的です。個別の判断は専門家にご確認ください。

    Q. 全社の生成AI利用ルールがあれば、広告用は不要ですか?

    A. 全社ルールが社内業務での利用を想定している場合、人物表現・権利の帰属・表記・委託先の条件といった広告特有の論点は別に補う必要があります。広告向けの章を足す形でも構いません。

    Q. ガイドラインは誰が作ればよいですか?

    A. 宣伝・法務・ブランドの3部門で作るのが現実的です。最初から3つの観点を入れておくと、公開直前に判断が覆るのを防げます。公開を判断する承認者も1人決めておきます。

    Q. 作ったガイドラインは制作会社に共有すべきですか?

    A. 共有することをおすすめします。基準が分かっていれば、制作会社は最初からそれに合わせて工程を組めます。

    まとめ

    生成AI広告のガイドラインは、「AIを使うか、使わないか」ではなく、どこまで使い、誰が何を確認し、委託先に何を求めるかを決める社内ルールです。6つの項目を押さえておけば、案件ごとの判断がぶれにくくなり、委託先との共通言語にもなります。作って終わりにせず、案件ごとに見直していくことも大切です。

    26℃は、フルAIで制作したCMを地上波で放映した実績をもとに、AI映像制作サービス「DIRECT FILM」を提供しています。工程の全開示、日本国内での最終品質チェック、権利の完全買い切りまで含めて設計しています。

    AI映像制作の進め方、品質管理の考え方、権利の扱いをまとめた資料をご用意しています。社内での検討・稟議にそのままお使いいただけます。

    ▶ AI映像制作サービス紹介資料(全18ページ・無料)をダウンロードする


    執筆:26℃ 編集部
    AI映像制作サービス「DIRECT FILM」を運営する株式会社ニジュウロクド(26℃)の編集チームです。制作現場で実際に用いている基準をもとに、AIクリエイティブの実務情報を発信しています。

  • AIアバターを広告に使う5つのリスク|実在タレントとの違いと対策

    AIアバターを広告に使う5つのリスク|実在タレントとの違いと対策(表紙)

    「広告の出演者を、AIアバターにできないか」——こうした検討が、現実的な選択肢になってきました。スケジュールや契約期間に縛られず、世界観に合わせて外見を設計できる。一方で、「誰かに似てしまったら」「権利は誰のものか」「見た人にどう受け止められるか」という不安は、社内で説明しきれないまま残りがちです。

    AIアバターを広告に使うリスクは、ツールそのものの危険性とは別のところにあります。出演者として世に出す以上、「顔」にかかわる固有のリスクがあるからです。そのリスクは5つに分けられ、多くは制作工程と契約で先に抑えられます。ただし、実在タレントの知名度はAIでは代替できません。そこも正直に書きます。

    26℃(株式会社ニジュウロクド)は、フルAIで制作したCMを地上波で放映した実績があります。この記事では、5つのリスクと実在タレントとの違い、そして工程のどこでリスクを抑えるかを整理します。

    結論から先に

    • AIアバターを広告に使うリスクは、実在人物との類似・権利の所在・視聴者の反応・アバターの共用・表記の方針の5つに分けて考える
    • 重いのは「誰かに似てしまうこと」と「権利の所在が曖昧なこと」。どちらも制作工程と契約で先に潰せる
    • ブランドの"顔"として使うなら、既製のアバターではなくキャラクターを個別に設計する
    • 実在タレントの知名度はAIでは代替できない。AIアバターの強みは、出演者側の事情に左右されずに使い続けられること

    広告におけるAIアバターとは

    広告におけるAIアバターとは、生成AIで作った実在しない人物を、広告やCMの出演者として起用するものです。 AIタレント、AIモデルなど呼び方はさまざまですが、この記事ではまとめてAIアバターと呼びます。

    使い方は大きく2つに分かれ、どちらを選ぶかで後述するリスクの大きさが変わります。

    • 既製のアバターを使う — サービスが用意した人物から選び、台詞や動きをつける
    • キャラクターを設計して作る — 案件ごとに、ブランドや世界観に合わせて出演者を設計する

    生成AI動画の権利の全体像(入口・工程・出力・契約の4段階)は生成AI動画の著作権と商用利用で整理しています。この記事は、そのうち「出演者」にかかわる部分を掘り下げた各論です。

    この記事は実務上の整理であり、個別案件の法的判断ではありません。具体的な案件については、必ず自社の法務部門または専門家にご確認ください。

    AIアバターを広告に使う5つのリスク

    AIアバターを広告の出演者にするときのリスクは、次の5つに分けると整理しやすくなります。

    AIアバターを広告に使う5つのリスク:実在人物との類似、権利の所在、視聴者の反応、アバターの共用、表記の方針

    1. 意図せず実在の人物に似てしまう

    生成AIが作る顔は学習データの影響を受けるため、特定の人物を指定していなくても、実在の人物、特に著名人を想起させる顔になることがあります。

    出演者は画面の中心に映り、繰り返し人の目に触れます。似ていれば気づかれやすく、肖像権などの問題になりえます。法的な判断とは別に、「誰かに寄せたのでは」という疑念が出るだけでも、ブランドにとっては十分な火種です。

    防ぐには、作る段階で「特定の人物に寄せない」ことを前提にし、出来上がった顔を人の目で確認することです。発注時に依頼書で人物の扱いを決めておく方法はAI動画を発注するときの注意点にまとめています。

    2. 権利の所在が曖昧になりやすい

    実在タレントなら、肖像権は本人にあり、出演契約で使用範囲を決めるという型があります。AIアバターは、「この顔は誰のものか」が曖昧なまま進みやすいのが難点です。確認すべき場所は3つです。

    • ツールの利用規約:生成物をどこまで商用利用できるか
    • 制作会社との契約:著作権・肖像権の帰属、使用期間や媒体の制限
    • 独占性:その顔や設定を、自社だけが使い続けられるか

    ここが曖昧だと、続編や別媒体への展開のタイミングで止まります。

    3. 視聴者の受け止め

    ひとつは違和感です。表情や視線のわずかなズレは、動画になると目立ちます。これは工程で減らせる部分で、AI CMが「気持ち悪い」と言われない作り方で詳しく扱っています。

    もうひとつは、「人を使わないこと」そのものへの反発です。出来とは関係なく、AIの出演者を否定的に受け止める人もいます。受け止め方は商材やターゲットで変わるため、「なぜこの広告はAIアバターなのか」を企画段階で説明できるかが分かれ目です。

    4. 既製アバターの共用

    見落とされやすいリスクです。既製のアバターを選んで使うサービスでは、規約によっては、同じアバターが他社の広告にも出演しえます。

    単発の告知ならともかく、ブランドの"顔"として使うなら話は別です。自社の顔が別の商材の広告に出ていれば、積み上げた印象が薄まります。独占的に使えるかを規約で確認するか、キャラクターを個別に設計することを前提にしてください。

    5. AIであることの表記・説明の方針

    AIの出演者であることを表記するのか、どう説明するのか。出稿先や国によって規定が異なり、更新されることもあるため、制作前に最新の規定を確認し、社内で方針を決めておきます。

    大切なのは、問い合わせを受けたときに「どう作ったか」を説明できることです。また、AIアバターに「使ってみた感想」を語らせるなど、実在の利用者の声と受け取られうる演出は、特に慎重に検討してください。

    実在タレントとAIアバターの違い

    両者は優劣ではなく、得意なことが違います。

    実在タレントとAIアバターの比較:知名度、契約期間と出演者の事情、表現の自由度の違い

    観点 実在タレント AIアバター
    知名度 起用した時点から、本人の認知と好感を借りられる ゼロから育てる
    契約期間 期間があり、満了後の使用は改めて取り決めることが多い 権利の取り決め次第。買い切りなら出演者に起因する満了はない
    差し替え 活動休止などで差し替えを検討する場面がありうる 実在の出演者がいないため起きない
    表現 本人のイメージの範囲内 年齢・外見・世界観を設計できる(実在人物に寄せない制約はある)
    権利 出演契約で整理する型がある 規約と制作契約の両方で確認が必要

    最大の違いは知名度です。実在タレントが持つ認知と好感は、AIアバターでは代替できません。

    一方でAIアバターは、出演者の契約期間の満了や、出演者側の事情による差し替えといった事態が、基本的に起こりません(権利の帰属が契約で整理されていることが前提)。ブランド独自の顔を育て、シリーズで使い続けたい場合に効いてくる性質です。

    リスクを制作工程でどう抑えるか

    5つのリスクのうち、類似・権利・共用の3つは、制作工程と契約で先に抑えられます。視聴者の反応と表記は、企画段階で方針を決める領域です。以下は、26℃が実際にとっている運用です。

    キャラクターを設計するところから始める

    26℃の制作工程は、キャラ設計 → 世界観 → 合成 → 最終カットの順に進みます。出演者は既製品から選ぶのではなく、工程の最初にキャラクターとして設計します。これが共用を避ける前提になります。工程は制作画面のまま開示するため、顔がどう決まったかを発注側が確認できます。制作工程の全体像はAI CM制作とは?実写CMとの違いと、制作の流れを工程で解説で解説しています。

    実在の人物・ブランド・キャラクターを模倣しない

    演者はAIアバターとし、実在の人物・ブランド・キャラクターを模倣しない運用としています。似てしまってから直すのではなく、最初から寄せないことを前提に作ります。AIの出力はそのまま納品せず、日本国内のスタッフが最終品質チェックを行います。

    権利の帰属を契約で明確にし、記録を残す

    権利の帰属と利用範囲は契約で明確にし、完全買い切りで著作権・肖像権とも譲渡します。「このアバターは誰のものか」で迷う状態を、納品の時点で残しません。あわせて制作の経緯をトレース記録として残すため、表記の方針や問い合わせへの対応でも説明の根拠になります。

    地上波の基準を前提に作る

    テレビCMは放映前に媒体側の考査があります。26℃はフルAIで制作したCMを地上波で放映した実績(制作事例)があり、その基準を前提に工程を設計しています。

    実際の制作物は制作実績で、サービスの詳細はDIRECT FILMでご覧いただけます。

    AIアバターが向いている広告・向かない広告

    向いている 慎重に考えたい
    目的 ブランド独自の顔を育てたい タレントの知名度で一気に認知を取りたい
    展開 シリーズ・複数パターンで長く使う 本人の話題性そのものが企画の軸
    表現 非日常の世界観や設定が必要 実在の利用者の声として見せたい
    信頼 世界観やキャラクターで伝える 「実在の人が出ていること」が根拠になる

    「慎重に考えたい」に当てはまっても、出演者以外の部分(背景・世界観・演出)だけをAIで作るという組み方はできます。実写のほうが確実な領域は撮影不要のAI動画制作|工程が減る理由と、できないことで整理しています。

    よくある質問

    Q. AIアバターを広告に使うリスクには何がありますか?

    A. 実在の人物との類似、権利の所在の曖昧さ、視聴者の違和感や反発、既製アバターの他社との共用、AIであることの表記方針の5つです。

    Q. AIアバターは商用利用できますか?

    A. ツールの利用規約で商用利用が認められていることが前提ですが、広告の出演者として使うならそれだけでは足りません。同じアバターを他社も使えるのか、納品後の著作権・肖像権の帰属、使用期間や媒体の制限まで確認してください。

    Q. AIアバターが実在の人物に似てしまったらどうなりますか?

    A. 意図の有無にかかわらず指摘を受ける可能性があり、放映・配信の停止や差し替えになれば影響は小さくありません。作る段階で特定の人物に寄せず、人の目で確認する工程を持つことが予防策です。法的な判断が必要な場合は専門家にご確認ください。

    Q. 広告にAIアバターを使うとき、AIであることの表記は必要ですか?

    A. 出稿先の媒体や国によって規定が異なり、更新されることもあるため、一律には言えません。制作前に最新の規定を確認し、社内で方針を決めておくことをおすすめします。

    Q. 実在タレントとAIアバター、どちらを選べばいいですか?

    A. 知名度を借りて短期間で認知を取りたいなら実在タレント、ブランド独自の顔を長く育てたいならAIアバターが向いています。

    まとめ

    AIアバターを広告に使うリスクは、実在人物との類似・権利の所在・視聴者の反応・アバターの共用・表記の方針の5つに分けると、何を確認すべきかがはっきりします。このうち類似・権利・共用は、キャラクターの個別設計と契約で制作前に抑えられます。

    実在タレントの知名度はAIでは代替できません。そのうえで、ブランド独自の顔を、出演者側の事情に左右されずに使い続けたいなら、AIアバターは有力な選択肢になります。

    26℃は、フルAIで制作したCMを地上波で放映した実績をもとに、AI映像制作サービス「DIRECT FILM」を提供しています。キャラ設計からの全工程開示、日本国内での最終品質チェック、権利の完全買い切りまで含めて設計しています。

    AI映像制作の進め方、品質管理の考え方、権利の扱いをまとめた資料をご用意しています。社内での検討・稟議にそのままお使いいただけます。

    ▶ AI映像制作サービス紹介資料(全18ページ・無料)をダウンロードする


    執筆:26℃ 編集部
    AI映像制作サービス「DIRECT FILM」を運営する株式会社ニジュウロクド(26℃)の編集チームです。制作現場で実際に用いている基準をもとに、AIクリエイティブの実務情報を発信しています。

  • AI動画を発注するときの注意点|依頼書・修正指示・納品確認

    AI動画を発注するときの注意点|依頼書・修正指示・納品確認

    AI動画を発注するときの注意点|依頼書・修正指示・納品確認(表紙)

    AI動画の外注について調べると、制作会社の選び方は多く見つかりますが、発注したあとに発注者が何をすればいいのかまで書かれたものは多くありません。イメージと違う映像が上がってくる、直すほど別の箇所が変わる、完成間際に社内から待ったがかかる——こうしたつまずきの多くは、会社選びではなく発注者と制作側の段取りで起きています。

    AI動画の発注の注意点は、依頼時・制作中・納品時の3つの局面に分けると整理できます。特に実写と違うのが制作中で、AIの修正は「撮り直し」ではなく「作り直し」です。何をどの順番で確定させるかを最初に決めておくと、後戻りを減らせます。

    26℃(株式会社ニジュウロクド)は、フルAIで制作したCMを地上波で放映した実績があります。制作する側から見て「ここを押さえておくと進行が安定する」点を、3つの局面の順に整理します。

    結論から先に

    • 発注の注意点は依頼時・制作中・納品時の3つの局面に分けて考える
    • 依頼書で制作側が推測で埋める部分を減らす。決まっていない項目も「未定」と書く
    • AIの修正は「作り直し」。構成 → キャラ → 世界観 → カット → 仕上げの順に確定させて後戻りを防ぐ
    • 納品時は違和感・権利・仕様の3観点で確認し、社内の承認は制作前に通しておく

    AI動画の発注とは ― 実写との違い

    AI動画の発注とは、生成AIを使って作る広告・CM・販促用の動画の制作を、制作会社に依頼することです。 大きな流れは実写の発注と同じですが、発注者が関わるタイミングと、修正の性質が違います。

    実写の場合、発注者にとっての山場は撮影日です。AI動画には撮影日がなく、生成と確認を往復しながら段階的に形を決めていきます。発注者の役割は「当日に立ち会う」ことから、途中の各段階で確認し、決めていくことに変わります。

    そのため、発注者が気をつける点は3つの局面に分かれます。

    発注者が関わる3つの局面:依頼時(依頼書を用意)、制作中(順番に確定)、納品時(3観点で確認)

    依頼書に書いておく7項目

    依頼書(オリエンシート)で大切なのは、制作側が推測で埋める部分を減らすこと。AI動画では、推測で埋めた部分がそのまま生成結果のブレになり、修正の往復に跳ね返ってきます。

    項目 書いておくこと 抜けると起きること
    出し先と尺 地上波/配信/SNS、秒数、縦横 カット数や画角が決まらない
    見せたいもの 誰に、商品の何を伝えたいか 試作の方向が散らばる
    トーン 形容詞3つ程度、過去の制作物 「おしゃれに」の解釈が割れる
    NG表現 使えない言葉・色・表現 終盤で見つかり、作り直しが広がる
    既存素材 ロゴ、商品画像、パッケージのデータ 商品を生成で寄せることになる
    人物の扱い 出すかどうか、年齢感・雰囲気 キャラの方向性が揺れ続ける
    確認者と承認フロー 各段階でOKを出す人、最終決裁者 終盤に初めて見た人の意見で覆る

    決まっていない項目は「未定」と書く。 空欄のままだと、任されているのか書き忘れなのかを制作側が判断できません。「未定。第1稿を見て決めたい」とあれば、仮の案で進める段取りを組めます。

    参考映像は「どこを参考にしたいか」を添える。 色味か、テンポか、構図か。丸ごと渡すだけだと、全体を似せる方向に読まれることがあります。26℃では演者をAIアバターとし、実在の人物・ブランド・キャラクターを模倣しない運用としています。

    既存素材は早めに渡す。 商品のロゴやパッケージは、生成で寄せるより元データがあるほうが正確です。お預かりしたデータはデータ非学習を前提とした環境で扱います。実物の質感を正確に見せたい商品の考え方は撮影不要のAI動画制作|工程が減る理由と、できないことにまとめています。

    制作中の修正は「撮り直し」ではなく「作り直し」

    実写の修正は、撮影済みの素材から選び直すか、編集で整えるのが基本です。一方、AI動画の修正は、該当する部分をもう一度生成し直すことを意味します。実写とAIで工程がどう置き換わるかはAI CM制作とは?実写CMとの違いと、制作の流れを工程で解説で比較しています。

    生成AIは、同じ指示でも毎回同じ結果を返すわけではありません。そのため、一部だけを直したつもりでも、周辺の表情や光、背景の細部が変わることがあります。制作側は変えたくない部分を保ちながら作り直しますが、「そこだけ差し替える」ほど単純ではない、という前提を共有しておくと進行が安定します。

    確定させる順番を最初に合意する

    そこで重要になるのが、何をどの順番で確定させるかです。前の段階を確定させてから次に進み、確定した段階はあとから動かさない進め方です。

    修正を減らす確定の順番:構成→キャラ→世界観→カット→仕上げの5段階。前の段階を確定させてから次に進む

    1. 構成 — 秒数ごとの流れ、ナレーション、商品を見せる位置
    2. キャラ — 人物の見た目、服装、年齢感
    3. 世界観 — 背景、色調、時間帯
    4. カット — 各カットの動きと画角
    5. 仕上げ — 色の調整、テロップ、音、尺

    順番が大切なのは、後ろの段階で前の段階を変えると、そこから後ろがすべて作り直しになるからです。カットまで進んだあとでキャラの髪型を変えれば、そのキャラが出る全カットが作り直しになります。

    26℃では、キャラ設計 → 世界観 → 合成 → 最終カットまで、制作画面のまま全工程を開示しています。発注者は各段階で、いま何を確定させようとしているのかを見て判断できます。確定したら「ここで確定」と言葉にして合意しておくと、食い違いが起きにくくなります。

    伝わる修正指示の出し方

    修正の往復を減らす近道は、指示の書き方です。「どのカットの」「何が」「どう違うか」の3点がそろっていれば、制作側は迷わず作り直せます。

    伝わりにくい指示 伝わる指示
    全体的にもう少し明るく 3カット目の背景を、夕方ではなく昼の光に
    人物の雰囲気が違う キャラの表情を笑顔から穏やかな表情に。服装はそのまま
    なんとなく違和感がある 5カット目、12秒付近で手の形が不自然
    前の案のほうがよかった 第2稿のカット4の色味に戻す。構図は今のまま

    場所はカット番号か秒数で指す。 「あのシーン」では、双方が別のカットを思い浮かべていることがあります。

    変えないものも書く。 生成し直すと周辺が揺れることがあるため、「服装はそのまま」と守りたい範囲を明示します。

    社内の意見は1本にまとめてから渡す。 「もっと明るく」と「落ち着いた雰囲気で」が同時に届くと、制作側はどちらにも寄せられません。窓口が優先順位をつけて伝えるほうが、早く仕上がります。

    26℃は日本側でワンストップ対応しているため、修正の指示が翻訳や時差を挟まずに制作に届きます。ニュアンスの指示ほど、この差が効きます。

    納品時に確認する3つの観点

    納品物は、観点を分けて見るほうが漏れが減ります。

    1. 違和感 ― 止めて見る

    通しで見て気にならなくても、1カットずつ止めると気づく破綻があります。手指、視線、影、画面内の文字。特に商品の色・ロゴ・パッケージの形は、商品をよく知る発注者の目で見るのが確実です。

    26℃ではAI出力をそのまま納品せず、日本国内のスタッフが最終品質チェックを行いますが、「自社の商品として正しいか」は発注者側でも確認してください。違和感の要因はAI CMが「気持ち悪い」と言われない作り方で整理しています。

    2. 権利 ― 契約どおりになっているか

    権利の帰属と利用範囲が契約どおりか、登場人物が実在の人物に似ていないか。確認すべき項目は生成AI動画の著作権と商用利用にまとめています。26℃の場合、納品物は完全買い切りで、著作権・肖像権とも譲渡します。

    3. 仕様 ― 出し先の規定に合っているか

    尺、解像度、ファイル形式、縦横比、字幕・テロップの誤字。テレビCMであれば、放映前に媒体側の考査もあります。入稿の規定は出し先ごとに異なり変更もあるため、最新の規定を確認し、依頼書の「出し先と尺」と突き合わせます。

    社内承認は制作前に通しておく

    AI動画の案件で終盤に止まりやすいのが社内の承認です。法務やブランド部門が完成品を見てはじめて「AIで作ったのか」と知ると、そこから確認が始まり、前の段階に戻ることもあります。

    制作に入る前に「AIを使って作ること」を関係部門に説明しておくのが確実です。説明しておきたいのは次の点です。

    • どの工程でAIを使い、どこを人が確認するのか
    • 人物をどう扱うのか(実在の人物を模倣しないか)
    • 素材の出所と、預けたデータの扱い
    • 納品後の権利の帰属と利用範囲

    26℃のサービス紹介資料は、工程・品質管理・権利の扱いをまとめたもので、こうした社内説明にそのまま使えます。

    撮影と日程調整が発生しないため、26℃では最短2週間での納品が可能です。ただし実際の期間は、確認の回数と社内承認の進み方で変わります。実際の制作物は制作実績で、サービスの詳細はDIRECT FILMでご覧いただけます。

    よくある質問

    Q. AI動画の外注で失敗しやすいのはどんなケースですか?

    A. 前提が決まらないまま進み、終盤で前の段階をひっくり返すケースです。そこから後ろがすべて作り直しになるため、依頼書で前提をそろえ、確定させる順番を最初に合意しておくことが予防策です。

    Q. 一部だけ直したいのに、ほかの部分まで変わるのはなぜですか?

    A. 生成AIは同じ指示でも毎回同じ結果を返すわけではなく、修正は該当部分の「作り直し」になるためです。修正指示に「変えないもの」を書き添えると、変化を抑えやすくなります。

    Q. AI動画の修正は何回までできますか?

    A. 案件と契約によって異なるため、契約前に回数と範囲を取り決めておきます。あわせて、どの段階で何を確定させるかをそろえておくと、往復を減らせます。

    Q. AI動画制作を依頼する前に、何を準備すればいいですか?

    A. 依頼書の7項目(出し先と尺、見せたいもの、トーン、NG表現、既存素材、人物の扱い、確認者と承認フロー)をまとめておきます。制作会社の選び方はAI動画制作とは?自作と依頼の違い・費用・流れで解説しています。

    Q. 納品された動画は、どこを確認すればいいですか?

    A. 違和感(手指・視線・文字、商品の色やロゴ)、権利(帰属と利用範囲、人物の類似)、仕様(尺・解像度・形式・字幕)の3観点に分けて確認します。

    まとめ

    AI動画の発注の注意点は、依頼時・制作中・納品時の3つの局面に分けると整理できます。依頼時は依頼書で推測の余地を減らし、制作中は「作り直し」を前提に構成 → キャラ → 世界観 → カット → 仕上げの順で確定させ、納品時は違和感・権利・仕様の3観点で確認する。社内の承認を制作前に通しておけば、終盤での差し戻しも防げます。

    26℃は、フルAIで制作したCMを地上波で放映した実績をもとに、AI映像制作サービス「DIRECT FILM」を提供しています。工程の全開示、日本国内での最終品質チェック、日本側ワンストップでの修正対応、権利の完全買い切りまで含めて設計しています。

    AI映像制作の進め方、品質管理の考え方、権利の扱いをまとめた資料をご用意しています。社内での検討・稟議にそのままお使いいただけます。

    ▶ AI映像制作サービス紹介資料(全18ページ・無料)をダウンロードする


    執筆:26℃ 編集部
    AI映像制作サービス「DIRECT FILM」を運営する株式会社ニジュウロクド(26℃)の編集チームです。制作現場で実際に用いている基準をもとに、AIクリエイティブの実務情報を発信しています。

  • AI CM制作とは?実写CMとの違いと、制作の流れを工程で解説

    AI CM制作とは?実写CMとの違いと、制作の流れを工程で解説

    AI CM制作とは?実写CMとの違いと、制作の流れを工程で解説(表紙)

    AI CMについて調べると、出てくるのはツールの紹介か、仕組みの一般論がほとんどです。けれど発注を検討する宣伝・マーケティングの担当者が知りたいのは、実写のCMと比べて何が変わり、誰がどこまで作るのかという工程の話のはずです。

    AI CM制作は「AIに指示すればCMが出てくる」ものではありません。AIが担うのは素材の生成で、企画から最終チェックまでの判断は人が担います。そして仕上がりは、CMならではの制約を工程にどう組み込むかで決まります。

    26℃(株式会社ニジュウロクド)は、フルAIで制作したCMを地上波で放映した実績があります。この記事では、AI CM制作とは何かを定義から整理し、実写CMとの違い、CMならではの制約、制作の流れを作る側の視点で解説します。

    結論から先に

    • AI CM制作とは、生成AIで映像素材を作り、企画から最終チェックまでを人が担うCMの作り方
    • 実写CMとはキャスティング→キャラ設計、ロケ→世界観、撮影→生成と工程が置き換わる。撮影・日程調整がないため最短2週間で納品できる
    • CMには尺・媒体考査・放送品質・ブランドの世界観という制約がある。出し先の基準から逆算して工程を組む
    • 品質を決めるのはツールの名前ではなく、どこで人が判断するか

    AI CM制作とは

    AI CM制作とは、生成AIで人物・背景・シーンといった映像素材を作り、企画・演出・選別・修正・合成・最終チェックを人が担って、テレビCMや広告映像に仕上げる制作方法です。

    仕組みを役割分担で見ると、AIが担うのは素材の生成とバリエーション出し、人が担うのは企画・演出の設計、使うカットの選別、破綻の修正、尺に収める合成、最終チェックです。AIの出力は素材であって、完成品ではありません。26℃でもAIの出力をそのまま納品することはなく、選別・修正を経て、日本国内のスタッフが最終チェックを行います。

    「AI動画制作」との違い

    生成AIで映像を作る点では、AI CM制作はAI動画制作の一部です。違いは出し先が求める基準にあり、それが後述するCMならではの制約です。動画一般の進め方はAI動画制作とは?自作と依頼の違い・費用・流れにまとめているので、この記事ではCMに絞ります。

    実写CMとの違い ― 工程で比べる

    実写CMとAI CMの違いは「撮影の有無」で片づけられがちですが、正確には撮影にまつわる工程が、AI側の別の工程に置き換わると考えたほうが実態に合います。

    実写CMとAI CMの工程比較:実写CMは企画→キャスティング→ロケ→撮影→編集、AI CMは企画→キャラ設計→世界観→生成→合成

    工程 実写CM AI CM
    企画 企画・コンテで演出を固める 同じ
    人物 キャスティング キャラ設計(全カットで同じ人物に見せる)
    場所 ロケハン・スタジオ・美術 世界観の設計(背景・光・色調のルール)
    撮影 決めたカットを撮影する 生成と選別(出し、選び、直す)
    編集 撮影素材の編集 生成カットの合成・編集
    修正 撮り直しは手配からやり直し 該当カットだけを作り直す
    納期 関係者の日程に左右される 最短2週間

    変わらないのは企画と最終判断で、変わるのはその間の素材の用意の仕方です。撮影と日程調整が発生しないため、26℃では最短2週間での納品が可能です。

    ただし、置き換わった工程には別の手間があります。実写なら同じ出演者が映っているのは当たり前ですが、AIでは全カットで同じ人物に見えるよう設計し、確認し続ける必要があります。工程が消えるというより、手間のかかる場所が移ると捉えるのが実態に近いでしょう。

    CMならではの4つの制約

    生成AIの技術は動画でもCMでも同じです。違うのは出し先が課す制約で、CMには少なくとも次の4つがあります。

    1. 尺 ― 15秒・30秒で完結させる

    テレビCMは15秒・30秒といった決まった尺で放映され、その中に商品の印象からブランド名までを収めます。生成AIの映像は、1回の生成で得られるのが短いカットであることがほとんどです。そのため尺の中のカット割りを先に設計し、それに合わせて生成する順番になります。

    2. 媒体考査 ― 外部の基準で確認される

    テレビCMは放映前に媒体側の考査があり、表現・表示・権利関係などの確認を通過したものが放映されます。AIで作ったからといって基準が緩むことはありません。また、生成AIの利用に関する考え方は出稿先や国によって異なり、見直しも続いているため、出し先ごとに最新の規定を確認します。

    3. 放送品質 ― 大きな画面で、繰り返し見られる

    テレビCMは家庭の大きな画面で、同じものが何度も放映されます。一度では気づかない細部の破綻も、繰り返し見られるうちに目に付きます。 音量や納品形式といった技術的な要件も局・媒体ごとにあり、AIで作ったCMでも実写と同じように満たす必要があります。

    4. ブランドの世界観 ― 1本では終わらない

    CMはブランドの既存の広告やパッケージと並べて見られ、シリーズなら2本目以降も同じ世界に見えなければなりません。生成AIは指示ごとに少しずつ違うものを出すため、キャラクターと世界観を先に「設計」として固め、全カット・全シリーズで揺れないよう管理する工程が要ります。

    基準は、出し先から逆算する

    4つに共通するのは、出し先が決まれば必要な基準が決まることです。地上波か配信・SNSだけか、何秒で何パターンか。これを最初に決めてから工程を組みます。

    26℃はフルAIで制作したCMを地上波で放映した実績があり、この外部の確認を前提に工程を設計しています。高い水準に合わせておけば、後から出し先を広げても手戻りが起きにくくなります。

    AI CM制作の流れ

    26℃では、キャラ設計 → 世界観 → 合成 → 最終カットまで、制作画面のまま全工程を開示しています。この軸にCMの制約への対応を重ねると、次の6ステップになります。

    AI CM制作の流れ:1 尺と出し先、2 企画・コンテ、3 キャラと世界観、4 生成・選別、5 合成・編集、6 最終チェックの6ステップ

    1. 尺と出し先を決める — 媒体・秒数・パターン数を確定する。ここで必要な基準が決まる
    2. 企画・コンテ — 実写と同じ。ただしカットごとの生成内容がここで決まるため、コンテの精度が生成の効率に直結する
    3. キャラと世界観の設計 — 人物の顔立ち・衣装、背景・光・色調のルールを生成前に固める。演者はAIアバターとし、実在の人物・ブランド・キャラクターを模倣しない
    4. 生成・選別 — カットごとに生成し、候補から選び、修正する。AIの出力をそのまま使わない
    5. 合成・編集 — 尺にぴったり収め、音やテロップを入れる。尺・パターンの出し分けもここで行う
    6. 最終チェック — 日本国内のスタッフが、出し先の基準に照らして確認する

    日本側でワンストップ対応するため、修正の指示は翻訳や時差を挟まずに通ります。納品物の権利は完全買い切りで、著作権・肖像権とも譲渡します。地上波で放映したAI CMの事例はこちらの制作実績でご覧いただけます。

    ▶ 26℃のAI映像制作サービス「DIRECT FILM」について詳しく見る

    使われるAIモデルと、品質を決めるもの

    26℃が使用している主なモデルは、Kling / Seedance / Runway / Comfy UI / Stable Diffusion です。一般に Kling・Seedance・Runway は映像の生成、Stable Diffusion は画像の生成に使われ、Comfy UI は生成の手順をノード状に組み立てるツールです。画像で人物や世界観を固め、動く映像にし、合成するというように、役割の違うものを組み合わせて使います。

    ただし、CMの品質を決めるのはツールの名前ではありません。モデルは入れ替わりが早いものです。変わらないのは、どのカットにどのモデルを使うか、出力のどれを使いどこを直すか、出し先の基準を満たしているか——という人の判断です。発注先を比べるときも、使用ツールより「誰がどう選び、直し、確認しているか」を聞いたほうが、仕上がりの見通しが立ちます。

    AI CMのメリットと注意点

    メリット

    • 撮影・日程調整がない:最短2週間での納品が可能
    • 実写では難しい世界観を作れる:存在しない場所や季節外れの風景も設計できる
    • 尺・パターンを展開しやすい:同じ設計から、テレビ用とWeb用を出し分けられる
    • 出演者の契約期間に縛られない:実在人物を模倣しないAIアバターで、権利は完全買い切り

    注意点

    よくある質問

    Q. AI CMとは何ですか?

    A. 生成AIで映像素材を作り、企画から最終チェックまでを人が担って仕上げるCMです。出演者や背景を、撮影ではなく生成で用意します。

    Q. AI CMは地上波で放送できますか?

    A. できます。26℃はフルAIで制作したCMを地上波で放映した実績があります。ただし放映前に媒体側の考査があるため、その基準を前提に作る必要があります。

    Q. AI CMの制作期間はどれくらいですか?

    A. 26℃では最短2週間での納品が可能です。撮影と日程調整が発生しないためで、実際の期間は尺・パターン数・確認の回数で変わります。

    Q. AI CMのデメリットは何ですか?

    A. 検証が不十分だと違和感が出やすいこと、権利を工程と契約で担保する必要があること、実物の質感の再現など実写のほうが確実な領域があることです。

    Q. 完成したAI CMの権利はどうなりますか?

    A. 契約によって異なるため、発注前の確認が必要です。26℃では完全買い切りとし、著作権・肖像権とも譲渡しています。

    まとめ

    AI CM制作とは、生成AIで映像素材を作り、企画から最終チェックまでを人が担うCMの作り方です。実写CMとは、キャスティングがキャラ設計に、ロケが世界観に、撮影が生成と選別に置き換わる点が違います。

    そしてCMには尺・媒体考査・放送品質・ブランドの世界観という制約があり、AI CM制作の品質は、これを出し先から逆算して工程に組み込めるかで決まります。

    26℃は、フルAIで制作したCMを地上波で放映した実績をもとに、AI映像制作サービス「DIRECT FILM」を提供しています。工程の全開示、日本国内での最終品質チェック、権利の完全買い切りまで含めて設計しています。実際の制作物は制作実績でご覧いただけます。

    AI映像制作の進め方、品質管理の考え方、権利の扱いをまとめた資料をご用意しています。社内での検討・稟議にそのままお使いいただけます。

    ▶ AI映像制作サービス紹介資料(全18ページ・無料)をダウンロードする


    執筆:26℃ 編集部
    AI映像制作サービス「DIRECT FILM」を運営する株式会社ニジュウロクド(26℃)の編集チームです。制作現場で実際に用いている基準をもとに、AIクリエイティブの実務情報を発信しています。

  • 撮影不要のAI動画制作|工程が減る理由と、できないこと

    撮影不要のAI動画制作|工程が減る理由と、できないこと

    撮影不要のAI動画制作|工程が減る理由と、できないこと(表紙)

    「撮影をせずに動画を作りたい」という相談が増えています。出演者の手配がつかない、ロケができる時期を過ぎてしまった、季節物なので今すぐ必要——理由は案件ごとに違いますが、共通しているのは撮影という工程そのものが日程のボトルネックになっているという点です。

    AIを使えば、撮影なしで動画は作れます。ただし発注する側にとって本当に知りたいのは「作れるかどうか」ではなく、何が省けて、何が省けないのかのはずです。ここは工程を見ないと分かりません。

    26℃(株式会社ニジュウロクド)は、フルAIで制作したCMを地上波で放映した実績があります。この記事では、撮影不要にすると具体的にどの作業が消えるのか、逆に撮影不要では難しくなることは何かを、実際の工程に沿って整理します。

    結論から先に

    • 撮影不要で消えるのは撮影当日だけではない。キャスティング・ロケハン・日程調整・天候待ち・再撮影という前後の工程がまとめて消える
    • 日程が読めるようになるのが最大の変化。最短2週間での納品が可能になるのは、撮影と日程調整が発生しないため
    • 撮影不要で難しくなることもある。実在する商品の質感、既存タレントの起用、現場の偶然性——ここは正直に切り分けたほうがいい
    • 「撮影がない=品質を落とす」ではない。出し先の基準(地上波なら媒体考査)を前提に工程を組めるかで決まる

    撮影不要のAI動画制作とは

    撮影不要のAI動画制作とは、カメラでの実写撮影を行わず、生成AIで映像素材を作って動画に仕上げる制作方法です。 演者・ロケーション・小道具にあたるものを、撮影ではなく生成で用意します。

    ここで押さえておきたいのは、撮影が消えても「作る工程」自体が消えるわけではないという点です。企画・構成・演出の設計は変わらず必要ですし、生成した素材を選び、直し、つなぐ作業はむしろ増えます。なくなるのは「撮影という物理的なイベント」と、それに紐づく段取りです。

    だからこそ、効果が出るのは「撮影の段取りがボトルネックになっている案件」です。逆に言えば、そこが詰まっていない案件では、撮影不要にしてもあまり変わりません。

    撮影がなくなると、どの工程が消えるのか

    「撮影1日ぶん」が消えるだけだと思われがちですが、実際に消えるのは前後に伸びている工程です。

    撮影不要で消える工程:キャスティング、ロケハン・ロケ地手配、スケジュール調整、天候・季節待ち、再撮影のリスク

    1. キャスティング

    出演者を探し、条件を交渉し、スケジュールを押さえる工程です。撮影日そのものより、ここの調整に時間がかかることが珍しくありません。

    2. ロケハン・ロケ地の手配

    場所を探し、下見をし、使用許可を取る。屋外なら近隣への配慮も要ります。

    3. スケジュール調整

    出演者・スタッフ・機材・場所の予定が全部そろう日を見つける作業です。関係者が増えるほど、候補日は指数的に減ります。

    4. 天候・季節待ち

    屋外撮影では天候が読めません。「桜が咲いている絵が要る」といった季節条件がつくと、待つ以外の選択肢がなくなります。

    5. 再撮影のリスク

    撮り直しが必要になったとき、撮影ありの案件では①〜④をもう一度回すことになります。撮影がなければ、直したい箇所だけを作り直せます。

    この5つが消えることが、納期短縮の中身です。26℃で最短2週間での納品が可能なのは、この撮影・日程調整が発生しないためです。

    逆に、撮影不要では難しくなること

    ここは、宣伝としては書きにくいところですが、発注前に知っておいたほうが判断を間違えません。

    撮影不要では難しくなる4つ:実物の質感を正確に見せる、既存タレントの起用、現場の偶然性、実写素材との混在

    実在する商品そのものを正確に見せる。 パッケージの質感、ラベルの文字、金属やガラスの反射。実物が存在する商品を「実物どおりに」見せる必要がある場合、実写のほうが確実なことがあります。生成で寄せることはできますが、工程と確認の手間は増えます。

    既存のタレント・著名人を起用する。 契約している人物を出演させたい案件は、そもそも撮影が前提になります。AIアバターへの置き換えは、その案件の狙いそのものを変えてしまいます。

    現場の偶然性を拾う。 ドキュメンタリー的な表情、実際のユーザーの反応、その場で生まれた動き。「作り込まないこと」に価値がある映像では、生成は向きません。

    既存の実写素材と混ぜる。 過去の実写映像と並べて違和感が出ないかは、案件ごとに検証が必要です。混在させる前提なら、早い段階で相談したほうがいい部分です。

    これらに当てはまる場合でも、一部だけをAIで作るという組み方はできます。全部か無かで考える必要はありません。

    撮影をしないぶん、品質はどこで担保するか

    「撮影がない=手を抜いている」と見られないために、工程のどこで誰が確認しているかを説明できる状態にしておくことが重要です。

    出し先の基準から逆算する。 テレビCMなら放映前に媒体側の考査があります。26℃はフルAIで制作したCMを地上波で放映した実績があり、その基準を前提に工程を設計しています。要求水準が高いほうに合わせて作れば、後から出し先を広げても作り直しが起きません。

    AI出力をそのまま納品しない。 生成された素材は必ず選別・修正の工程を通し、日本国内のスタッフが最終品質チェックを行います。

    工程をまるごと可視化する。 キャラ設計 → 世界観 → 合成 → 最終カットまで、制作画面のまま全工程を開示します。撮影という「目に見える現場」がないぶん、工程が見えることの価値はむしろ上がります。

    日本側でワンストップ。 海外チームとの直接やり取りは発生しないため、修正の指示が翻訳や時差を挟まずに通ります。撮影がない案件は修正のやり取りが中心になるので、ここが詰まると結局スピードが出ません。

    品質についてより詳しくは、AI CMが「気持ち悪い」と言われない作り方にまとめています。

    向いている案件・慎重に考えたい案件

    向いている 慎重に考えたい
    出演者 特定の人物である必要がない 契約タレント・著名人を起用したい
    被写体 概念・世界観・シチュエーション 実物の質感を正確に見せたい商品
    日程 撮影の段取りが日程を圧迫している 日程に余裕があり、撮影済み素材もある
    展開 複数パターン・複数尺を出し分けたい 1本を作り込みたい
    季節・場所 季節物、ロケが難しい場所 現場の偶然性そのものが価値

    「慎重に考えたい」に当てはまっても、部分的にAIを使う組み方は検討できます。実際の判断は案件の狙い次第なので、素材の有無と出し先を添えてご相談いただくのが早いです。

    発注から納品までの流れ

    1. 狙いと出し先の確認 — どこで流すか(地上波/配信/SNS)で必要な水準が決まります
    2. 企画・構成 — ここは撮影ありの案件と変わりません
    3. キャラ設計・世界観の設計 — 撮影でいうキャスティングとロケハンにあたる工程
    4. 生成と選別 — 出力をそのまま使わず、選び、直す
    5. 合成・編集 — 尺やパターンの出し分けもこの段階
    6. 最終QA — 日本国内のスタッフが確認。出し先の基準に照らす
    7. 納品 — 権利は完全買い切りで、著作権・肖像権とも譲渡します

    撮影と日程調整が発生しないため、最短2週間での納品が可能です。実際の期間は素材の量と確認の回数で変わります。

    実際の制作物は制作実績でご覧いただけます。サービスの詳細はDIRECT FILMにまとめています。

    よくある質問

    Q. 撮影なしで動画は本当に作れますか?

    A. 作れます。演者・背景・小道具にあたる素材を撮影ではなく生成で用意し、選別・修正・合成を経て仕上げます。地上波TVCMとして放映した実績もあります。ただし実在する商品の質感を正確に見せたい場合など、実写のほうが確実な領域もあります。

    Q. 撮影不要にすると、どれくらい早くなりますか?

    A. 短縮されるのは撮影当日だけではなく、キャスティング・ロケハン・スケジュール調整・天候待ち・再撮影といった前後の工程です。26℃では最短2週間での納品が可能です。実際の期間は素材の量と確認回数によって変わります。

    Q. 出演者はどうなりますか?

    A. AIアバターを使用し、実在の人物・ブランド・キャラクターを模倣しない運用としています。実在のタレントを起用したい案件は、そもそも撮影が前提になるため、別の進め方をご検討ください。

    Q. 既存の実写素材と混ぜられますか?

    A. 案件によります。並べたときに違和感が出ないかの検証が必要なので、混在させる前提であれば早い段階でご相談ください。

    Q. 修正はどこまでできますか?

    A. 撮影がないぶん、直したい箇所だけを作り直せます。撮影ありの案件のように「撮り直しのために全工程をやり直す」必要がないのが、撮影不要の実務上の利点です。具体的な修正回数や範囲は、案件ごとに事前に取り決めます。

    まとめ

    動画制作を撮影不要にすると、消えるのは撮影当日だけではありません。キャスティング・ロケハン・スケジュール調整・天候待ち・再撮影という前後の工程がまとめて消えます。日程が読めるようになることが最大の変化で、最短2週間での納品が可能になるのはこのためです。

    同時に、実物の質感・既存タレントの起用・現場の偶然性といった、撮影のほうが確実な領域もあります。全部をAIに置き換える必要はなく、案件の狙いに応じて組み合わせるのが現実的です。

    26℃は、フルAIで制作したCMを地上波で放映した実績をもとに、AI映像制作サービス「DIRECT FILM」を提供しています。工程の全開示、日本国内での最終品質チェック、権利の完全買い切りまで含めて設計しています。

    AI映像制作の進め方、品質管理の考え方、権利の扱いをまとめた資料をご用意しています。社内での検討・稟議にそのままお使いいただけます。

    ▶ AI映像制作サービス紹介資料(全18ページ・無料)をダウンロードする


    執筆:26℃ 編集部
    AI映像制作サービス「DIRECT FILM」を運営する株式会社ニジュウロクド(26℃)の編集チームです。制作現場で実際に用いている基準をもとに、AIクリエイティブの実務情報を発信しています。

  • 生成AI動画の著作権と商用利用|広告で使う前に確認する4点

    生成AI動画の著作権と商用利用|広告で使う前に確認する4点

    生成AI動画の著作権と商用利用|広告で使う前に確認する4点(表紙)

    生成AIで映像を作れるようになって最初に立ち止まるのが、この動画を広告に使って本当に大丈夫なのかという点です。ツールの利用規約には「商用利用可」と書いてある。それでも、社内の法務やクライアントに説明を求められたとき、その一行だけでは足りないことに気づきます。

    生成AI動画の著作権と商用利用をめぐる論点は、ひとつの大きな問題ではありません。入口・工程・出力・契約という4つの段階に分けると、確認すべきことがはっきりします。

    26℃(株式会社ニジュウロクド)は、フルAIで制作したCMを地上波で放映した実績があります。テレビCMは放映前に媒体側の考査を通過する必要があるため、自社で「問題ない」と判断しただけでなく、外部の基準による確認を経て世に出ている状態です。この記事では、一般的な整理に加えて、その4段階を制作現場でどう運用しているかを公開します。

    結論から先に

    • 権利の論点は入口(素材の出所)・工程(学習のさせ方)・出力(誰に似ているか)・契約(権利の行き先)の4段階に分けて確認する
    • ツールの利用規約は「入口」しかカバーしない。残り3つは制作の進め方と契約で決まる
    • 広告で本当に問題になるのは著作権より、出力が実在の人物やブランドに似てしまうこと
    • 発注側が確認すべきなのは「AIを使ったか」ではなく、どの工程で誰が何を確認したか、後から辿れるか

    生成AI動画の商用利用とは

    生成AI動画の商用利用とは、AIで生成した映像を広告・CM・販促など、収益に関わる目的で使うことです。 個人が趣味で作る場合と違い、企業が広告として世に出す場合は、著作権だけでなく肖像権・商標・契約上の権利帰属まで含めて確認が必要になります。

    ここで多くの人がつまずくのは、「商用利用可」という言葉が、どこまでを保証しているのか分からないという点です。ツールの規約が保証しているのは、たいていの場合「そのツールで生成した出力を、あなたが商業目的で使ってよい」という許諾だけです。生成された映像が第三者の権利を侵していないことまでは、保証していません。

    つまり、生成AI動画の著作権と商用利用の問題は、ツールを選んだ時点では半分も解決していないということです。残りは、どう作るか(工程)と、誰にどう渡すか(契約)で決まります。

    この記事は実務上の整理であり、個別案件の法的判断ではありません。具体的な案件については、必ず自社の法務部門または専門家にご確認ください。

    権利の論点は4段階に分けて考える

    26℃では、AIクリエイティブの権利・安全性への対策を、次の4段階に分けて設計しています。漠然と「AIは権利が心配」と考えるより、どの段階の話をしているのかを切り分けたほうが、確認も説明も早くなります。

    生成AI動画の権利を確認する4段階:入口(素材の出所)/工程(学習のさせ方)/出力(誰に似ているか)/契約(権利の行き先)

    1. 入口 ― 素材の出所はクリーンか

    出発点となる素材が、どこから来たものか。ここが不透明だと、後続の工程をいくら丁寧にやっても説明ができません。起点の素材をすべて自社で0から制作していれば、出所の説明は最もシンプルになります。

    2. 工程 ― 他人の著作物を学習させていないか

    生成の過程で、第三者の著作物を学習データとして取り込んでいないか。「AIを使っている」と一括りにされがちですが、他人の作品を学習させて出力する使い方と、自社で用意した素材を加工する使い方は、権利上まったく別の話です。

    3. 出力 ― 実在の人物・ブランドに似ていないか

    広告で実際に問題になりやすいのは、この段階です。生成された人物が実在のタレントに似てしまう、既存キャラクターを想起させる、他社のロゴやパッケージに近い意匠が映り込む。意図していなくても、似てしまえば肖像権や商標の問題になりえます。

    26℃では、演者はAIアバターとし、実在の人物・ブランド・キャラクターを模倣しない運用としています。

    4. 契約 ― 納品後、権利はどこに行くか

    作ったものを、最終的に誰がどこまで使えるのか。使用期間の制限、媒体の制限、二次利用の可否。ここが曖昧なまま進むと、「作ったのに使えない」「来年また費用が発生する」という形で後から効いてきます。

    26℃の場合は完全買い切りで、著作権・肖像権とも譲渡する形をとっています。

    ツールの利用規約を読んでも解決しないこと

    生成AIツールの利用規約を読み込むことは必要です。ただし規約が答えてくれるのは、先ほどの4段階のうち「入口」の一部だけです。

    段階 ツールの規約で分かること 規約では分からないこと
    入口 出力を商用利用してよいか 実際に使われた素材の出所
    工程 (多くの場合、記載なし) どの素材を、どう学習・加工したか
    出力 (保証しないと書かれていることが多い) 生成物が誰かに似ていないかの確認
    契約 ツール提供者との関係のみ 発注者と制作会社の間の権利帰属

    規約の確認で安心してしまうと、広告として世に出したときに問題になる「出力」と「契約」が空白のまま進むことになります。この2つは、ツールではなく制作の進め方と契約書で埋めるしかありません。

    なお26℃で使用している主なモデルは Kling / Seedance / Runway / Comfy UI / Stable Diffusion です。どのモデルを使ったかではなく、そのモデルに何を入力し、出力をどう検証したかが説明できる状態にしています。

    地上波TVCMの場合、何が変わるか

    Web広告とテレビCMで大きく違うのは、放映前に媒体側の考査があることです。自社で「問題ない」と判断しただけでは世に出ません。第三者の基準による確認を通過する必要があります。

    このため、地上波を前提に工程を組むと、権利まわりの確認は自然と厳しくなります。後から「説明できる状態」を作るのではなく、最初から説明できるように作る必要があるためです。

    26℃はフルAIで制作したCMを地上波で放映した実績があり、その基準を前提に工程を設計しています。配信やSNSだけを出し先とする場合でも、この水準で作っておけば、後から出し先を広げたときに作り直しが発生しません。

    26℃が工程のどこで担保しているか

    権利の話は、契約書だけでは担保しきれません。実際の制作工程のどこで、誰が何を見ているかまで含めて初めて説明可能になります。

    26℃のAI映像制作工程:キャラ設計→世界観→合成→最終カットまで全工程を可視化し、日本国内スタッフが最終品質チェックを行う

    工程をまるごと可視化する。 キャラ設計 → 世界観 → 合成 → 最終カットまで、制作画面のまま全工程を開示します。「どこで何をしたか」を後から辿れる状態にしておくことが、説明責任を果たす前提になります。

    AI出力をそのまま納品しない。 生成された素材は必ず選別・修正の工程を通し、日本国内のスタッフが最終品質チェックを行います。出力が誰かに似ていないかの確認も、この工程に含まれます。

    海外チームとの直接やり取りは不要。 日本側でワンストップ対応するため、権利や表現についての確認が、途中で翻訳や時差を挟まずに完結します。

    発注前・契約前に確認する5項目

    権利まわりに絞って、発注前に確認しておきたい項目です。技術や品質の確認項目については、別記事のAI CMが「気持ち悪い」と言われない作り方にまとめています。

    # 確認する項目 なぜ必要か
    1 起点となる素材の出所を説明できるか 入口が不透明だと、後工程をいくら丁寧にやっても説明できない
    2 第三者の著作物を学習させていないか 「AIを使った」の中身によって、権利上の位置づけが変わる
    3 出力が実在の人物・ブランドに似ていないか確認する工程があるか 意図しない類似でも肖像権・商標の問題になりうる
    4 納品後の権利帰属と、使用期間・媒体の制限 制限があると、後から使えない・作り直しになる
    5 どの工程で誰が何を確認したか、後から辿れるか 説明を求められたときに答えられる状態かどうか

    このうち 1・2・3 は、契約後では確認しづらい項目です。見積もりや提案を受け取る段階で聞いておくことをおすすめします。

    よくある質問

    Q. 生成AIで作った動画は商用利用しても大丈夫ですか?

    A. ツールの利用規約で商用利用が許諾されていることは前提ですが、それだけでは足りません。素材の出所(入口)、学習のさせ方(工程)、生成物が第三者に似ていないか(出力)、納品後の権利帰属(契約)の4点を合わせて確認する必要があります。特に広告用途では「出力」と「契約」が実務上の論点になります。

    Q. AIが生成した映像に著作権は発生しますか?

    A. 一般論としては、人間の創作的な関与の度合いによって扱いが変わるとされています。実務上より重要なのは、発注者が納品後にその映像を制限なく使えるかどうかです。これは著作権が発生するかどうかとは別に、制作会社との契約で明確にしておく必要があります。個別の判断は専門家にご確認ください。

    Q. AI動画が他人の作品に似てしまった場合、どうなりますか?

    A. 意図の有無にかかわらず、権利者から指摘を受ける可能性があります。そのため、生成物を確認する工程を制作側に持たせることが重要です。26℃では演者をAIアバターとし、実在の人物・ブランド・キャラクターを模倣しない運用としたうえで、日本国内のスタッフが最終チェックを行っています。

    Q. AIタレントを広告に起用する場合、肖像権はどうなりますか?

    A. 実在しない人物であっても、既存の人物に似ていれば肖像権の問題になりえます。逆に、実在人物を模倣しない前提で作られたAIアバターであれば、出演者の契約期間満了や活動休止に伴うリスクは発生しません。権利が完全に譲渡される契約であれば、期間の制限なく使い続けられます。

    Q. 制作会社に確認すべきことは何ですか?

    A. 「AIを使っているか」ではなく、どの工程で誰が何を確認したかを説明できるかです。素材の出所、学習の有無、類似確認の工程、権利帰属の4点について、具体的に答えられるかどうかが判断材料になります。

    まとめ

    生成AI動画の著作権と商用利用は、ひとつの大きな問題ではなく、入口・工程・出力・契約という4段階の確認作業です。ツールの利用規約が答えてくれるのはそのうち一部で、広告として世に出すときに効いてくる「出力」と「契約」は、制作の進め方と契約書で埋めるしかありません。

    26℃は、フルAIで制作したCMを地上波で放映した実績をもとに、AI映像制作サービス「DIRECT FILM」を提供しています。工程の全開示、日本国内での最終品質チェック、権利の完全買い切りまで含めて設計しています。実際の制作物は制作実績でご覧いただけます。

    AI映像制作の進め方、品質管理の考え方、権利の扱いをまとめた資料をご用意しています。社内での検討・稟議にそのままお使いいただけます。

    ▶ AI映像制作サービス紹介資料(全18ページ・無料)をダウンロードする


    執筆:26℃ 編集部
    AI映像制作サービス「DIRECT FILM」を運営する株式会社ニジュウロクド(26℃)の編集チームです。制作現場で実際に用いている基準をもとに、AIクリエイティブの実務情報を発信しています。

  • AI CMが「気持ち悪い」と言われない作り方|地上波TVCMの制作基準

    AI CMが「気持ち悪い」と言われない作り方|地上波TVCMの制作基準(表紙)

    AI CMの導入を検討すると、必ず目に入るのが「気持ち悪い」という反応です。生成AIを使ったCMが公開されるたびに、SNSや検索では違和感を指摘する声が集まります。これから発注する側からすれば、「うちも同じことを言われるのではないか」と不安になるのは当然です。

    ただ、この違和感は「AIを使ったから」起きているわけではありません。その多くは、制作工程のどこかで人の判断が抜け落ちたときに発生しています。裏を返せば、工程を設計すれば防げるということです。

    26℃(株式会社ニジュウロクド)は、フルAIで制作したCMを地上波で放映した実績があります。テレビCMは放映前に媒体側の考査を通過する必要があるため、自社で「問題ない」と判断しただけでなく、外部の基準による確認を経て世に出ている状態です。この記事では、違和感が生まれる技術的な理由を整理したうえで、その基準を通すために制作現場で実際に何をしているかを公開します。

    結論から先に

    • 違和感の大半はAIモデルの性能ではなく、生成後の検証・修正工程の有無で決まる
    • テレビCMには媒体考査という外部チェックが入る。ここを通す前提で工程を組むことが、そのまま違和感対策になる
    • AIの出力をそのまま納品しない。選別・修正を挟み、日本国内のスタッフが最終品質チェックを行う
    • 「見た目の違和感」より権利の不備のほうが事業リスクとしては重い。入口・工程・出力・契約の4段階で対策する

    AI CMの「気持ち悪さ」とは何か

    AI CMの「気持ち悪さ」とは、映像内のディテールや文脈に、視聴者が説明しづらい不自然さを感じ取っている状態のことです。 そしてその大半は、使用したAIモデルの性能ではなく、生成後の検証・修正工程が設計されているかどうかで決まります。

    生成AIは、指示に対してもっともらしい出力を返します。しかしその「もっともらしさ」は、人間が無意識に見ている細部までは保証してくれません。手の関節、視線の向き、影の落ち方、髪や布の動き。ひとつひとつは小さなズレでも、動画として再生された瞬間に、視聴者は違和感として受け取ります。

    つまり違和感対策とは、AIの精度を上げる話ではなく、生成したものをどう検証し、どこで人が判断するかという工程設計の話です。

    なぜ「気持ち悪い」と感じるのか ― 5つの技術的要因

    違和感の正体は、おおむね次の5つに分解できます。

    AI映像に「気持ち悪さ」が生まれる5つの技術的要因:不気味の谷、手・指・関節の破綻、視線と焦点のズレ、物理法則の破綻、ブランド文脈とのズレ

    1. 不気味の谷

    人物の造形が本物に近づくほど、わずかなズレが強い不快感につながる現象です。表情、視線、口の動きが「整っているのに微妙に違う」とき、視聴者は本物として認識できず、居心地の悪さを覚えます。あえてイラスト寄りに倒す、実写に寄せきる、といった振り切りの判断が必要になります。

    2. 手・指・関節の破綻

    静止画では見過ごされるレベルの破綻も、動画になると露見します。指の本数や関節の曲がる方向は、動きがついた瞬間に目立ちます。

    3. 視線と焦点のズレ

    会話シーンで、人物同士の視線が交差していない。手前を見ているはずの人物が奥を見ている。焦点の合っている位置が不自然。こうしたズレは、視聴者が言語化できないまま「なんとなく変だ」と感じる代表的な要因です。

    4. 物理法則の破綻

    影の落ち方、髪や衣服の揺れ方、液体の動き。現実の物理と食い違う挙動は、意識されないまま違和感として蓄積します。

    5. ブランド文脈とのズレ

    技術的には破綻していなくても、そのブランドがこれまで積み上げてきたトーンと合っていなければ、視聴者は「らしくない」と受け取ります。これは映像の品質ではなく、設計の問題です。

    ここまでは、生成AIを扱う各社が共通して指摘している論点です。重要なのは、これらを知っているかどうかではなく、制作工程のどこで潰しているかです。

    地上波TVCMを通すために、実際にやっていること

    テレビCMは、制作したものをそのまま放映できるわけではありません。放映前に媒体側の考査があり、表現・表示・権利関係についての確認を通過する必要があります。

    ここが、Web広告やSNS広告との決定的な違いです。自社の判断だけで出せる媒体と違い、地上波では第三者の基準による確認が必ず入ります。26℃がフルAIで制作したCMを地上波で放映できているのは、この外部チェックを前提に工程を組んでいるからです。

    AI制作ラインで人が判断するポイント:企画・設計(人)→生成(AI)→選別・修正(人)→最終QA(人)→媒体考査(第三者)→放映

    ▶ 26℃のAI映像制作サービス「DIRECT FILM」について詳しく見る

    AI出力をそのまま納品しない

    26℃では、AIの出力をそのまま納品物にしません。 生成した素材は必ず選別・修正の工程を経由し、日本国内のスタッフが最終品質チェックを行います。

    海外の制作チームと直接やり取りする必要がない体制にしているのも、確認の責任範囲を曖昧にしないためです。指示の意図が翻訳の過程で薄れると、違和感の芽は工程の後半まで残ります。

    最終チェックで実際に見ているところ

    • 人物の視線・焦点が、会話や動作の関係性と一致しているか
    • 手指・関節が、動きの全フレームを通して破綻していないか
    • 影・髪・衣服が、光源と動きに対して矛盾していないか
    • 口の動きと音声が同期しているか
    • ブランドの既存表現とトーンが揃っているか
    • 商品・パッケージ・ロゴの形状が正確に再現されているか

    このうち、商品やパッケージの再現性は、生成AIがもっとも苦手とする領域のひとつです。実在する商品を扱う以上、ここは人が見るしかありません。

    ここで述べた工程を実際に通し、地上波で放映したフルAI制作のCMは、サイナスリンス様_花粉症編とサイナスリンス様_大学生編の制作実績ページでご覧いただけます。

    制作工程を、すべて開示する

    違和感や炎上を避けるうえで、もうひとつ効くのが工程の可視化です。

    26℃では、キャラクター設計 → 世界観の設定 → 合成 → 最終カットまで、実際の生成ワークフローの画面をそのまま開示しています。どの工程で何を生成し、どこを人が直したのかを、後から辿れる状態にしています。あわせて、使用したツールと工程はトレース記録として残します。

    これは「丁寧に作っています」というアピールのためではありません。発注した側が、社内やユーザーに対して説明責任を果たせるようにするためです。「どうやって作ったのか」を聞かれたときに答えられない状態は、それ自体がリスクになります。

    実際の制作物は、制作実績ページでご覧いただけます。

    ▶ 26℃の制作実績を見る

    権利・肖像の観点でのリスク回避

    「気持ち悪い」という反応の隣には、必ず権利の問題があります。見た目の違和感より、権利の不備のほうが事業リスクとしては重いというのが実務上の感覚です。

    AIクリエイティブの著作権・安全性に関する4つの対策:入口=権利クリーン性、工程=学習させない環境、出力=実在人物を模倣しない、契約=権利帰属を明確化

    入口 ― 素材の権利をクリーンにする

    生成の起点になる素材は、すべて自社で0から制作しています。他人の著作物を学習させて出力する形ではありません。素材の出所が説明できない状態を作らない、という前提です。

    工程 ― 学習させない環境で作る

    商用利用・データ非学習を前提とした環境で制作しています。お預かりしたデータがAIの学習に使われることはありません。

    出力 ― 実在の人物を模倣しない

    演者はAIアバターです。実在の人物・ブランド・キャラクターを模倣する運用はしていません。

    これは炎上回避のためだけではなく、実務上の利点もあります。タレント起用に伴う肖像権の期限や、契約更新・引退といったリスクがなくなるためです。一度作った映像を、後から使えなくなる事態を避けられます。

    契約 ― 権利の帰属を明確にする

    権利の帰属と利用範囲は契約で明確化します。著作権・肖像権はいずれも譲渡する完全買い切りの形です。納品後に「この映像はどこまで使っていいのか」で迷う状態を残しません。

    発注前に確認したい10項目

    制作会社を選ぶとき、あるいは社内で進行中の案件を点検するときに、そのまま使える確認項目です。26℃に発注するかどうかに関係なく、AI映像を扱う案件であれば共通してチェックすべき内容です。

    # 確認項目 なぜ確認するか
    1 生成の起点になる素材は誰が作ったものか 素材の出所が説明できないと、権利の追跡ができない
    2 預けたデータが学習に使われない契約になっているか 自社の商品画像や資料が外部モデルに残るリスク
    3 演者は実在の人物に似ていないか。確認プロセスはあるか 意図しない類似は肖像権の問題になりうる
    4 著作権・肖像権は納品後どうなるか 二次利用や期間の制限があると、後から使えなくなる
    5 どの工程で何をしたか、後から辿れるか 説明を求められたときに答えられる状態か
    6 AI出力をそのまま納品していないか。人が見るのはどこか 検証工程の有無が、違和感の量を決める
    7 出し先の媒体基準を満たす確認をしているか 地上波・配信・SNSで求められる水準は異なる
    8 違和感が出た場合、どこまで修正できるか 修正範囲が契約前に決まっていないと揉める
    9 既存のブランド表現と整合させる工程があるか 技術的に問題なくても「らしくない」は起きる
    10 問題が起きた場合の責任分界と対応体制 事前に決めていないと、発生後に動けない

    このうち 1・2・3・5 は、発注前でなければ確認しづらい項目です。契約前の段階で聞いておくことをおすすめします。

    よくある質問

    Q. AIが気持ち悪いと言われるのはなぜですか?

    A. 人物の表情・視線・手指の動きなどが「整っているのにわずかにズレている」状態を、視聴者が本物として認識できずに不快感を覚えるためです(不気味の谷現象)。加えて、影や髪の動きといった物理的な破綻、ブランドの文脈と合わない使い方も要因になります。

    Q. なぜAIが生成した顔は気持ち悪く感じるのでしょうか?

    A. 人間は顔の認識に特化しているため、わずかな不自然さも検出してしまいます。左右の対称性が整いすぎている、肌の質感が均一すぎる、視線の焦点が合っていないといった要素が重なると、違和感が強く出ます。意図的に造形を実写から離す、あるいは最終工程で人が調整する、といった対応が必要です。

    Q. 生成AIはなぜ嫌悪されることがあるのですか?

    A. 映像そのものの品質だけでなく、「権利関係が不透明ではないか」「手を抜いているのではないか」という疑いが同時に向けられるためです。工程を開示し、素材の出所と人の関与を説明できる状態にしておくことが、この種の反応への対応になります。

    Q. AI生成動画はなぜ静止画より気持ち悪く感じるのですか?

    A. 静止画では見過ごされる破綻が、動きがつくと露見するためです。関節の曲がる方向、影の追従、髪や衣服の揺れ方、口の動きと音声の同期。いずれも「時間軸が加わってはじめて破綻がわかる」種類の要素です。動画の検証は、静止画より工程数が必要になります。

    まとめ

    AI CMの「気持ち悪さ」は、AIを使ったことの必然ではありません。生成したものを誰がどの工程で検証し、どこで人が判断するか ― その設計の有無によって決まります。

    26℃は、フルAIで制作したCMを地上波で放映した実績をもとに、AI映像制作サービス「DIRECT FILM」を提供しています。工程の全開示、日本国内での最終品質チェック、権利のクリーン性の担保まで含めて設計しています。

    AI映像制作の進め方、品質管理の考え方、権利の扱いをまとめた資料をご用意しています。社内での検討にそのままお使いいただけます。

    ▶ AI映像制作サービス紹介資料(全18ページ・無料)をダウンロードする


    執筆:26℃ 編集部 AI映像制作サービス「DIRECT FILM」を運営する株式会社ニジュウロクド(26℃)の編集チームです。制作現場で実際に用いている基準をもとに、AIクリエイティブの実務情報を発信しています。

  • AI動画制作とは?自作と依頼の違い・費用・流れを解説

    AI動画制作とは?自作と依頼の違い・費用・流れを解説(表紙)

    生成AIの進化により、テレビCMやSNS動画を「撮影せずに」作ることが現実になりました。CanvaやAdobe Fireflyのようなツールで自作する道も、制作会社に依頼してテレビCM品質の映像を作る道もありますが、検索で出てくる情報の多くは「ツールの使い方」の解説です。自社でやるべきか、プロに依頼すべきか。依頼するなら何を基準に選び、費用や権利はどうなるのか——発注する側が本当に知りたいこの疑問に、AI動画制作を事業として行う立場から答えます。

    結論から先に

    • 社内向け・実験用途ならツールで自作、テレビCMなど企業名を背負う映像なら制作会社への依頼が現実的
    • 品質を左右するのはツールではなく工程の設計。「企画・設計は人間、生成はAI」の分業が基本
    • 依頼した場合、撮影が不要なため修正に強く、納期は最短3週間程度から
    • 制作会社選びの基準は3つ:著作権・肖像権の扱い/データ非学習の制作環境/品質とガバナンスの体制

    AI動画制作とは

    AI動画制作とは、画像生成・映像生成AI(動画生成AI)を制作工程に組み込み、実写撮影の一部または全部を置き換えて映像を作る手法です。企画やディレクションは人間が担い、素材の生成をAIが担う「分業」が基本形になります。

    重要なのは、AIはあくまで道具であるという点です。プロンプトを入力すれば完成品が出てくるわけではなく、企画・設計・検証・仕上げといった工程の設計こそが品質を左右します。AI動画生成の技術そのものは日進月歩で変わりますが、この原則は変わりません。

    AI動画制作のメリットと限界

    メリット

    • 撮影の制約から解放される:キャスティング・ロケ・撮影日程が不要になり、実写では難しい世界観も表現できる
    • 修正に強い:再生成によりトーン変更や部分差し替えを短期間で反映できる(撮影のやり直しが不要)
    • 多パターン展開が速い:同一企画から複数バリエーションを展開でき、SNS広告のABテストと好相性

    限界(正直に)

    • 実在の人物・場所の正確な再現:本人の事前同意が前提であり、同意のない再現はそもそも行うべきではない
    • 商品ディテールの厳密な再現:ロゴや商品形状の正確性は、生成後の検証・修正工程での担保が必須
    • 長尺コンテンツ:現状はCMやSNS広告のような短尺領域が中心で、長尺になるほど編集・検証工程の比重が大きくなる

    限界の多くは「AIだけで完結させようとした場合」の話であり、検証・仕上げ工程を組み合わせることで解決できます。だからこそ、後述する工程設計が重要になります。

    AI動画は自作か、制作会社へ依頼か——比較と判断基準

    まず全体像を比較表で押さえましょう。

    比較項目 ツールで自作 制作会社に依頼
    向いている用途 社内共有・個人SNS・実験的な検証 テレビCM・公式発信など企業名を背負う映像
    品質の担保 生成品質のばらつきを自分で調整 検証・仕上げ工程で担保
    権利リスク 規約確認・権利処理はすべて自社責任 制作ルールを確認のうえ、管理ごと任せられる
    費用構造 ツール利用料+担当者の学習・制作時間 個別見積もり(撮影・キャスティング費は不要)
    修正・展開 自社で再生成・再編集 媒体審査対応・多言語展開まで依頼可能

    AI動画は自作か制作会社へ依頼か:3つの判断基準

    そのうえで、判断の決め手は次の3点です。

    1. 映像を「どこに」出すのか

    社内共有や個人のSNSなら、ツールでの自作で十分なケースが多いでしょう。一方、テレビCM・タクシー広告・企業の公式発信など、企業名を背負って世に出す映像は、生成品質のばらつきをそのまま出すわけにはいきません。検証と仕上げの工程を持つ体制が必要です。

    2. 権利リスクを自社で負えるか

    生成AIには著作権・肖像権のリスクが常につきまといます。ツール自作の場合、利用規約の確認や権利クリアランスはすべて自社責任です。依頼する場合は、制作会社がどのようなルール(作風模倣の禁止、実在人物の事前同意、来歴記録など)で制作しているかを確認したうえで、リスク管理ごと任せられます。

    3. 修正・展開の運用体制があるか

    広告は作って終わりではなく、媒体審査への対応、サイズ違い・言語違いの展開、効果を見ての差し替えが続きます。この運用を社内で回せるかどうかも、現実的な分かれ目です。

    企業がAI動画制作を活用できる場面

    • テレビCM:AI生成映像は、すでに地上波テレビCMとして放映される品質水準に達しています。実写では撮影が難しい世界観の表現や、複数パターンの同時制作に向いています
    • SNS向け短尺動画:クリエイティブを多数用意して検証する運用と好相性
    • 多言語ローカライズ:吹き替え・字幕・画面内テキストの差し替えを効率化し、同じ映像を複数市場へ展開できます

    AI動画制作を依頼した場合の流れ(6つの工程)

    従来の実写制作との違いは、工程を並べると明確になります。

    比較項目 従来の実写制作 AI動画制作
    工程 企画 → 手配 → 撮影 → 仕上げ 企画 → 設計 → 生成 → 検証 → 改善 → 仕上げ
    スケジュール 撮影日程・ロケ・キャスティングに依存 撮影日なし。生成と検証を短サイクルで反復
    大きな修正 再撮影となり、費用・日程とも負担が大きい 再生成で対応。トーン変更・差し替えに強い
    表現の幅 撮影できる範囲に制約される 実写では難しい世界観も表現可能

    DIRECT FILM では、品質はプロンプトではなく工程で担保するという考え方のもと、6工程で制作を進めます。

    1. 企画:目的・ターゲット・メッセージを定義し、カンプやVコンテとして可視化する
    2. 設計:カット構成・スタイル・使用モデルを決める
    3. 生成:設計に基づき素材を生成する
    4. 検証:品質・整合性・権利面をチェックする
    5. 改善:検証結果を反映して再生成する
    6. 仕上げ:編集・音・テロップを整えて納品形態にする

    AI動画制作の6つの工程と生成・検証・改善の反復サイクル

    提案の前段階で企画をVコンテとして形にし、比較・検証してから制作に入るため、「完成してみたらイメージと違った」というリスクを抑えられます。

    AI動画制作の費用と納期の目安

    AI動画制作の費用は、尺・カット数・表現難度・納品形態で大きく変わります。一律の相場を示すより、実写制作と比べて費用の構成がどう変わるかを押さえるほうが、見積もりの妥当性を自分で判断できるようになります。

    費用項目 従来の実写制作 AI動画制作(依頼)
    企画・構成 必要 必要(Vコンテで事前検証)
    キャスティング・出演料 必要。継続利用には契約更新も 原則不要
    ロケ・スタジオ・美術 必要 不要
    撮影クルー・機材 必要 不要
    素材の生成・検証 — 必要(AI工程の中心)
    編集・仕上げ 必要 必要
    二次利用料・更新料 出演者・楽曲の契約により継続発生することがある 26℃の場合、完全買い切りでゼロ

    実写制作とAI動画制作の費用構成の違い

    自作(ツール)の場合、表面上の費用はツールのサブスクリプション料金ですが、担当者の学習時間・制作時間という人件費が実質のコストになります。

    依頼の場合は上表のとおり、キャスティング・ロケ・撮影の費用が構成から消え、代わりに生成・検証の工数が加わります。最終的な金額は個別見積もりになりますが、この構成を知っていれば見積書の妥当性は判断できます。納期は案件によりますが、最短3週間程度から対応できるケースがあります。

    より詳しいサービス内容は AI映像制作サービス紹介資料 でもご覧いただけます。

    AI動画の制作会社を選ぶ3つの基準

    著作権・肖像権の扱いが明確か

    「著作権は譲渡されるか」「二次利用料・更新料は発生するか」「特定の作風の模倣や実在人物の無断利用を避ける制作ルールがあるか」の3点を必ず確認しましょう。

    素材がAIの学習に使われないか

    未公開の商品情報や企画書を預ける以上、データの扱いは重要です。商用利用・データ非学習を前提とした生成環境を使っているか、NDA(秘密保持契約)を締結できるかを確認してください。

    品質とガバナンスの体制があるか

    生成AIモデルは更新が速く、選定と検証の体制が品質を左右します。どのような工程で品質を担保しているか、AIガバナンス面の取り組み(例:ISO/IEC 42001 などAIマネジメント規格への対応)を確認すると安心です。

    AI動画制作のよくある質問

    Q. 納品物の著作権はどうなりますか?

    制作会社によります。26℃の場合、納品物の著作権・利用権は制作完了と同時に完全にお客様へ譲渡し、更新料・二次利用料は発生しません。媒体も期間も問わず自由にご利用いただけます。

    Q. 依頼した素材や企画がAIの学習に使われることはありませんか?

    これも契約と制作環境次第です。26℃では商用利用・データ非学習を前提とした環境で制作し、生成は案件ごとに完結、すべてNDAのもとで管理します。

    Q. 修正にはどこまで対応してもらえますか?

    AI制作は修正に強い方式です。トーン変更や部分差し替えを、撮影では考えられないスピードで反映できます。26℃では窓口は日本側がワンストップで対応します。

    まとめ:AI動画制作は「どこに出す映像か」から考える

    社内向け・実験的な用途ならツールでの自作、企業名を背負って世に出す映像なら工程を持つ制作会社への依頼——これが現時点での現実的な使い分けです。

    26℃の DIRECT FILM は、フルAIの地上波CM放映実績を持ち、権利完全買い切り・データ非学習環境での制作に対応しています。制作実績 をご覧のうえ、まずは進行中の1案件からお気軽に ご相談 ください。