AI動画を発注するときの注意点|依頼書・修正指示・納品確認

AI動画を発注するときの注意点|依頼書・修正指示・納品確認(表紙)

AI動画を発注するときの注意点|依頼書・修正指示・納品確認(表紙)

AI動画の外注について調べると、制作会社の選び方は多く見つかりますが、発注したあとに発注者が何をすればいいのかまで書かれたものは多くありません。イメージと違う映像が上がってくる、直すほど別の箇所が変わる、完成間際に社内から待ったがかかる——こうしたつまずきの多くは、会社選びではなく発注者と制作側の段取りで起きています。

AI動画の発注の注意点は、依頼時・制作中・納品時の3つの局面に分けると整理できます。特に実写と違うのが制作中で、AIの修正は「撮り直し」ではなく「作り直し」です。何をどの順番で確定させるかを最初に決めておくと、後戻りを減らせます。

26℃(株式会社ニジュウロクド)は、フルAIで制作したCMを地上波で放映した実績があります。制作する側から見て「ここを押さえておくと進行が安定する」点を、3つの局面の順に整理します。

結論から先に

  • 発注の注意点は依頼時・制作中・納品時の3つの局面に分けて考える
  • 依頼書で制作側が推測で埋める部分を減らす。決まっていない項目も「未定」と書く
  • AIの修正は「作り直し」。構成 → キャラ → 世界観 → カット → 仕上げの順に確定させて後戻りを防ぐ
  • 納品時は違和感・権利・仕様の3観点で確認し、社内の承認は制作前に通しておく

AI動画の発注とは ― 実写との違い

AI動画の発注とは、生成AIを使って作る広告・CM・販促用の動画の制作を、制作会社に依頼することです。 大きな流れは実写の発注と同じですが、発注者が関わるタイミングと、修正の性質が違います。

実写の場合、発注者にとっての山場は撮影日です。AI動画には撮影日がなく、生成と確認を往復しながら段階的に形を決めていきます。発注者の役割は「当日に立ち会う」ことから、途中の各段階で確認し、決めていくことに変わります。

そのため、発注者が気をつける点は3つの局面に分かれます。

発注者が関わる3つの局面:依頼時(依頼書を用意)、制作中(順番に確定)、納品時(3観点で確認)

依頼書に書いておく7項目

依頼書(オリエンシート)で大切なのは、制作側が推測で埋める部分を減らすこと。AI動画では、推測で埋めた部分がそのまま生成結果のブレになり、修正の往復に跳ね返ってきます。

項目 書いておくこと 抜けると起きること
出し先と尺 地上波/配信/SNS、秒数、縦横 カット数や画角が決まらない
見せたいもの 誰に、商品の何を伝えたいか 試作の方向が散らばる
トーン 形容詞3つ程度、過去の制作物 「おしゃれに」の解釈が割れる
NG表現 使えない言葉・色・表現 終盤で見つかり、作り直しが広がる
既存素材 ロゴ、商品画像、パッケージのデータ 商品を生成で寄せることになる
人物の扱い 出すかどうか、年齢感・雰囲気 キャラの方向性が揺れ続ける
確認者と承認フロー 各段階でOKを出す人、最終決裁者 終盤に初めて見た人の意見で覆る

決まっていない項目は「未定」と書く。 空欄のままだと、任されているのか書き忘れなのかを制作側が判断できません。「未定。第1稿を見て決めたい」とあれば、仮の案で進める段取りを組めます。

参考映像は「どこを参考にしたいか」を添える。 色味か、テンポか、構図か。丸ごと渡すだけだと、全体を似せる方向に読まれることがあります。26℃では演者をAIアバターとし、実在の人物・ブランド・キャラクターを模倣しない運用としています。

既存素材は早めに渡す。 商品のロゴやパッケージは、生成で寄せるより元データがあるほうが正確です。お預かりしたデータはデータ非学習を前提とした環境で扱います。実物の質感を正確に見せたい商品の考え方は撮影不要のAI動画制作|工程が減る理由と、できないことにまとめています。

制作中の修正は「撮り直し」ではなく「作り直し」

実写の修正は、撮影済みの素材から選び直すか、編集で整えるのが基本です。一方、AI動画の修正は、該当する部分をもう一度生成し直すことを意味します。実写とAIで工程がどう置き換わるかはAI CM制作とは?実写CMとの違いと、制作の流れを工程で解説で比較しています。

生成AIは、同じ指示でも毎回同じ結果を返すわけではありません。そのため、一部だけを直したつもりでも、周辺の表情や光、背景の細部が変わることがあります。制作側は変えたくない部分を保ちながら作り直しますが、「そこだけ差し替える」ほど単純ではない、という前提を共有しておくと進行が安定します。

確定させる順番を最初に合意する

そこで重要になるのが、何をどの順番で確定させるかです。前の段階を確定させてから次に進み、確定した段階はあとから動かさない進め方です。

修正を減らす確定の順番:構成→キャラ→世界観→カット→仕上げの5段階。前の段階を確定させてから次に進む

  1. 構成 — 秒数ごとの流れ、ナレーション、商品を見せる位置
  2. キャラ — 人物の見た目、服装、年齢感
  3. 世界観 — 背景、色調、時間帯
  4. カット — 各カットの動きと画角
  5. 仕上げ — 色の調整、テロップ、音、尺

順番が大切なのは、後ろの段階で前の段階を変えると、そこから後ろがすべて作り直しになるからです。カットまで進んだあとでキャラの髪型を変えれば、そのキャラが出る全カットが作り直しになります。

26℃では、キャラ設計 → 世界観 → 合成 → 最終カットまで、制作画面のまま全工程を開示しています。発注者は各段階で、いま何を確定させようとしているのかを見て判断できます。確定したら「ここで確定」と言葉にして合意しておくと、食い違いが起きにくくなります。

伝わる修正指示の出し方

修正の往復を減らす近道は、指示の書き方です。「どのカットの」「何が」「どう違うか」の3点がそろっていれば、制作側は迷わず作り直せます。

伝わりにくい指示 伝わる指示
全体的にもう少し明るく 3カット目の背景を、夕方ではなく昼の光に
人物の雰囲気が違う キャラの表情を笑顔から穏やかな表情に。服装はそのまま
なんとなく違和感がある 5カット目、12秒付近で手の形が不自然
前の案のほうがよかった 第2稿のカット4の色味に戻す。構図は今のまま

場所はカット番号か秒数で指す。 「あのシーン」では、双方が別のカットを思い浮かべていることがあります。

変えないものも書く。 生成し直すと周辺が揺れることがあるため、「服装はそのまま」と守りたい範囲を明示します。

社内の意見は1本にまとめてから渡す。 「もっと明るく」と「落ち着いた雰囲気で」が同時に届くと、制作側はどちらにも寄せられません。窓口が優先順位をつけて伝えるほうが、早く仕上がります。

26℃は日本側でワンストップ対応しているため、修正の指示が翻訳や時差を挟まずに制作に届きます。ニュアンスの指示ほど、この差が効きます。

納品時に確認する3つの観点

納品物は、観点を分けて見るほうが漏れが減ります。

1. 違和感 ― 止めて見る

通しで見て気にならなくても、1カットずつ止めると気づく破綻があります。手指、視線、影、画面内の文字。特に商品の色・ロゴ・パッケージの形は、商品をよく知る発注者の目で見るのが確実です。

26℃ではAI出力をそのまま納品せず、日本国内のスタッフが最終品質チェックを行いますが、「自社の商品として正しいか」は発注者側でも確認してください。違和感の要因はAI CMが「気持ち悪い」と言われない作り方で整理しています。

2. 権利 ― 契約どおりになっているか

権利の帰属と利用範囲が契約どおりか、登場人物が実在の人物に似ていないか。確認すべき項目は生成AI動画の著作権と商用利用にまとめています。26℃の場合、納品物は完全買い切りで、著作権・肖像権とも譲渡します。

3. 仕様 ― 出し先の規定に合っているか

尺、解像度、ファイル形式、縦横比、字幕・テロップの誤字。テレビCMであれば、放映前に媒体側の考査もあります。入稿の規定は出し先ごとに異なり変更もあるため、最新の規定を確認し、依頼書の「出し先と尺」と突き合わせます。

社内承認は制作前に通しておく

AI動画の案件で終盤に止まりやすいのが社内の承認です。法務やブランド部門が完成品を見てはじめて「AIで作ったのか」と知ると、そこから確認が始まり、前の段階に戻ることもあります。

制作に入る前に「AIを使って作ること」を関係部門に説明しておくのが確実です。説明しておきたいのは次の点です。

  • どの工程でAIを使い、どこを人が確認するのか
  • 人物をどう扱うのか(実在の人物を模倣しないか)
  • 素材の出所と、預けたデータの扱い
  • 納品後の権利の帰属と利用範囲

26℃のサービス紹介資料は、工程・品質管理・権利の扱いをまとめたもので、こうした社内説明にそのまま使えます。

撮影と日程調整が発生しないため、26℃では最短2週間での納品が可能です。ただし実際の期間は、確認の回数と社内承認の進み方で変わります。実際の制作物は制作実績で、サービスの詳細はDIRECT FILMでご覧いただけます。

よくある質問

Q. AI動画の外注で失敗しやすいのはどんなケースですか?

A. 前提が決まらないまま進み、終盤で前の段階をひっくり返すケースです。そこから後ろがすべて作り直しになるため、依頼書で前提をそろえ、確定させる順番を最初に合意しておくことが予防策です。

Q. 一部だけ直したいのに、ほかの部分まで変わるのはなぜですか?

A. 生成AIは同じ指示でも毎回同じ結果を返すわけではなく、修正は該当部分の「作り直し」になるためです。修正指示に「変えないもの」を書き添えると、変化を抑えやすくなります。

Q. AI動画の修正は何回までできますか?

A. 案件と契約によって異なるため、契約前に回数と範囲を取り決めておきます。あわせて、どの段階で何を確定させるかをそろえておくと、往復を減らせます。

Q. AI動画制作を依頼する前に、何を準備すればいいですか?

A. 依頼書の7項目(出し先と尺、見せたいもの、トーン、NG表現、既存素材、人物の扱い、確認者と承認フロー)をまとめておきます。制作会社の選び方はAI動画制作とは?自作と依頼の違い・費用・流れで解説しています。

Q. 納品された動画は、どこを確認すればいいですか?

A. 違和感(手指・視線・文字、商品の色やロゴ)、権利(帰属と利用範囲、人物の類似)、仕様(尺・解像度・形式・字幕)の3観点に分けて確認します。

まとめ

AI動画の発注の注意点は、依頼時・制作中・納品時の3つの局面に分けると整理できます。依頼時は依頼書で推測の余地を減らし、制作中は「作り直し」を前提に構成 → キャラ → 世界観 → カット → 仕上げの順で確定させ、納品時は違和感・権利・仕様の3観点で確認する。社内の承認を制作前に通しておけば、終盤での差し戻しも防げます。

26℃は、フルAIで制作したCMを地上波で放映した実績をもとに、AI映像制作サービス「DIRECT FILM」を提供しています。工程の全開示、日本国内での最終品質チェック、日本側ワンストップでの修正対応、権利の完全買い切りまで含めて設計しています。

AI映像制作の進め方、品質管理の考え方、権利の扱いをまとめた資料をご用意しています。社内での検討・稟議にそのままお使いいただけます。

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執筆:26℃ 編集部
AI映像制作サービス「DIRECT FILM」を運営する株式会社ニジュウロクド(26℃)の編集チームです。制作現場で実際に用いている基準をもとに、AIクリエイティブの実務情報を発信しています。

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